Visaが中央銀行デジタル通貨(CBDC)のオフライン決済ソリューションの可能性に関する論文発表

Visaが中央銀行デジタル通貨(CBDC)のオフライン決済ソリューションの可能性に関する論文発表

Visaが中央銀行のデジタル通貨(CBDC)向けのオフライン決済ソリューションの可能性を概説した論文を12月18日に発表した。

このVisaの概説する決済プロトコルでは、デジタルマネーをスマートフォンやタブレットなどの個人用デバイスに直接ダウンロードすることができる仕組みだ。デジタル通貨はそのデバイスに埋め込まれた安全なハードウェアに保存され、ウォレットプロバイダー(銀行など)によって管理される。

Visaは「CBDCは、銀行、決済ネットワーク、決済処理業者などの仲介者を介さずに、あるデバイスから別のデバイスへ直接取引することができます。ポイント・ツー・ポイントの支払いをサポートすることができる基礎技術の例としては、BluetoothおよびNFC(Near Field Communication)があります」と説明している。

またVisaのソリューションは、信頼できる実行環境(Trusted Execution Environment/TEE)を使用している。TEEは他のアプリケーションが盗み見できないように電話やコンピュータ内のパーティションで区切られた領域に存在する実行環境だ。またVisaの決済ネットワークは公開鍵基盤(PKI)も使用している。

そして「Visaでは、新製品や新機能の開発、主要なデジタル通貨ウォレットやインフラプロバイダーへの投資や提携、独自の一次調査の実施、世界経済フォーラムやVisa Economic Empowerment Instituteなどのパートナー組織との連携によるCBDCの政策や経済への影響の分析などを行ってきました。既存の決済エコシステムとシームレスに統合できる、安全で便利で信頼性の高いCBDCを実現するために、この重要な時期に中央銀行と協力できることを楽しみにしています」とリリースに記載されている。

編集部のコメント

Visaのレポートでは各国のCBDCの状況について「いくつかの国がCBDCの枠組みを進めるための具体的なステップを踏んでいますが、ほとんどの中央銀行はまだ検討段階にあります」と説明されています。

コメント:竹田匡宏(あたらしい経済)

(images:iStock/incohre・Igor-Korchak)

この記事の著者・インタビューイ

あたらしい経済 編集部

ブロックチェーン、仮想通貨(暗号通貨)、トークンエコノミー、評価経済、シェアリングエコノミーなどの「あたらしい経済」をテーマにしたWEBメディアです。「あたらしい経済」モデルやそこでの稼ぎ方、そこで未来を切り開く人々のエピソード、あたらしい時代における働き方や学ぶべきことなどを、紹介します。これから「あたらしい経済」時代を迎える すべての個人 に、新時代をサバイバルするための武器を提供する、全くあたらしいWEBメディア・プロジェクトです。

ブロックチェーン、仮想通貨(暗号通貨)、トークンエコノミー、評価経済、シェアリングエコノミーなどの「あたらしい経済」をテーマにしたWEBメディアです。「あたらしい経済」モデルやそこでの稼ぎ方、そこで未来を切り開く人々のエピソード、あたらしい時代における働き方や学ぶべきことなどを、紹介します。これから「あたらしい経済」時代を迎える すべての個人 に、新時代をサバイバルするための武器を提供する、全くあたらしいWEBメディア・プロジェクトです。

合わせて読みたい記事

【4/23話題】上場企業メタプラネットが10億円でビットコイン購入、日銀がCBDCパイロット実験の進捗報告など

東証スタンダード上場のメタプラネット、10億円相当のビットコイン購入を報告、日銀、「中銀デジタル通貨パイロット実験」の進捗状況を報告、Magic Eden、ビットコイン(BTC)のトークン規格「Runes」をサポート開始、コインベースにweb3ゲームの「Karrat(KARRAT)」上場へ、暗号資産決済「スラッシュ」の独自トークン「SVL」、海外取引所Bybitに上場へ、セロ(CELO)、イーサリアムL2移行に「OPスタック」選択、「Runes」ローンチでビットコインの手数料収入が急騰、過去最高クラスへ、タイSEC、無認可の暗号資産取引所へのアクセスブロックを計画、不正行為防止へ、シバイヌ(SHIB)、未公開トークン「TREAT」販売で約19億円を調達