複数のトークン化株式を束ねたポートフォリオ商品を準備
RWA(現実資産)のトークン化事業を手がけるオンド・ファイナンス(Ondo Finance)が、複数のトークン化株式を1つのトークンにまとめた「インテリジェント・ポートフォリオ(intelligent portfolios)」の提供を準備している。オンドのマネージングディレクター兼プロダクト・ポートフォリオ責任者を務めるジョン・ホフマン(John Hoffman)氏が、ワイオミング・ブロックチェーン・シンポジウム2026で「ザ・ブロック(The Block)」の取材に対し明らかにし、同メディアが8月20日に報じた。
オンド・ファイナンスは、米国債や米国上場株式、ETF(上場投資信託)などの現実資産をブロックチェーン上で取り扱うためのトークン化事業を展開している。同社は米国外の対象地域の投資家向けに、ブロックチェーン上で発行されたトークンを通じて米国上場株式やETFへの経済的エクスポージャーを得られるサービス「オンド・ストックス(Ondo Stocks)」を提供している。
オンド・ストックスで取り扱う各トークンは、英領バージン諸島のオンド・グローバル・マーケッツ(BVI)リミテッド(Ondo Global Markets(BVI)Limited)が発行する。各トークンは、対応する株式またはETFと決済途中の現金によって完全に裏付けられており、イーサリアム(Ethereum)、ソラナ(Solana)、BNBチェーン(BNB Chain)などで利用できる。
今回ホフマン氏が明らかにしたインテリジェント・ポートフォリオは、こうした個別のトークン化株式を複数組み合わせ、1つのトークンとして提供する商品だ。具体的な商品構成や提供開始時期は、「ザ・ブロック」の記事では明らかにされていない。
今回の商品構想につながる方針は、ホフマン氏のオンド入社時にも示されていた。オンドは6月11日、ホフマン氏をマネージングディレクター兼プロダクト・ポートフォリオ責任者に任命したと公式ブログで発表している。同社は当時、大手資産運用会社と共同開発するカスタムのトークン化バスケットや、オンド独自のポートフォリオ商品を展開する方針を示していた。なおバスケットは、複数の株式などを組み合わせた資産のまとまりを指す。
ホフマン氏は今回のインタビューで、ETFが過去33年間にたどった発展と、現在の資産トークン化市場には類似点があるとの見方を示した。同氏は、ETFも登場初期には、技術が機能するのか、どのような問題を解決するのかといった疑問を持たれていたと説明。資産トークン化についても、新たな技術が最終的に市場を変革していく同様の過程にあると述べた。なお、6月11日の就任発表に掲載されたコメントでは、ETFがニッチな金融商品から主流の投資手段へ成長するまでに約30年を要したとした上で、オンチェーン金融ではその期間が大幅に短縮されるとの見方を示している。
オンドの既存事業も拡大している。オンド・ストックスはサービス開始から8カ月以内に預かり資産総額(TVL)が10億ドル(約1,590億円)を突破した。オンドが6月11日に公表したホフマン氏の就任発表時点では、260種類の資産を取り扱っていた。ホフマン氏は、ステーブルコインのTVLが10億ドルに達するまで約3年、トークン化米国債では約18カ月を要した一方、オンド・ストックスは8カ月以内で同水準に達したと説明した。同氏は、この成長速度について、トークン化株式に明確なプロダクト・マーケット・フィット(Product-Market Fit)があることを示していると述べた。
なお、オンドのトークン化株式などは現在、米国外の対象地域で提供されている。ホフマン氏は、米国で規制の明確化が進めば、同国でもトークン化商品を提供できる道筋があるとの考えを示した。