ボルボ(Volvo)が倫理的なサプライチェーンの実現に向けブロックチェーン企業サーキュラー(Circulor)に出資

ボルボ(Volvo)が倫理的なサプライチェーンの実現に向けブロックチェーン企業サーキュラー(Circulor)に出資

自動車メーカーであるボルボ(Volvo)がブロックチェーン企業サーキュラー(Circulor)への出資を7月8日に発表した。

サーキュラーはブロックチェーンを利用してサプライチェーンのトレーサビリティを提供する企業。現在サーキュラー社のブロックチェーン技術はボルボのバッテリーサプライチェーン全体を管理しており、ボルボ初の電気自動車である「XC40 Recharge P8」に使用されているコバルトのトレーサビリティを100%実現しているとのこと。

今回の出資はボルボの投資部門であるVolvo Cars Tech Fundを通して行われ、出資額は一桁億円と推定されている。なおこの出資はサーキュラーによる資金調達ラウンドの一部でありSYSTEMIQ、 Total Carbon Neutrality Ventures、Plug & Playもサーキュラーに出資したとのことだ。

ボルボは2020年初めから、サーキュラーとともに電気自動車のバッテリーに使用するコバルトのサプライチェーンの透明化に取り組んでいる。ボルボの調達部門の責任者であるMartina Buchhauser(マルチナ・バッカーサー)氏によると、コバルトの主原産国であるコンゴ民主共和国では、児童を使用した違法な採掘活動が問題となっているため、ボルボはサプライチェーンの透明化を進めることにより、そのような倫理に反する供給を排除することを目指すとのことだ。(FINANCIAL TIMES有料記事参照)

ボルボは車両の生産に用いられる他の鉱物のトレーサビリティやCO2排出量の追跡などの分野でもサーキュラーとの連携を模索しており、サーキュラーの開発を支援することでボルボのビジネスをより持続可能なものにすることを目指すとのことだ。

編集部のコメント

サーキュラーのブロックチェーンには、Oracle(オラクル)社が開発するオラクルブロックチェーンプラットフォームが利用されています。サーキュラー社は今年1月にメルセデスベンツと共同で車両生産におけるCO2排出量の追跡のパイロット実験に取り組んでいます。またサーキュラー社とメルセデスベンツは、ボルボと同じくコバルトのサプライチェーン追跡のパイロット実験にも取り組んでいます。

ボルボは自社の電気自動車XC40 Recharge P8のバッテリー生産過程にサーキュラーのブロックチェーンを利用していますが、同車種のバッテリーには中国のCATLと韓国のLG化学という2社のサプライヤーが関係しています。ボルボとLG化学はともに国際的な鉱物資源追跡コンソーシアムであるResponsible Sourcing Blockchain Network(RSBN)のメンバーではありますが、今回はRSBNのブロックチェーンではなくサーキュラーのブロックチェーンを採用しています。

コメント:小俣淳平(あたらしい経済)

(images:iStock/jauhari1)

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「あたらしい経済」 はブロックチェーン、暗号通貨などweb3特化した、幻冬舎が運営する2018年創刊のメディアです。出版社だからこその取材力と編集クオリティで、ニュースやインタビュー・コラムなどのテキスト記事に加え、ポッドキャストやYouTube、イベント、書籍出版など様々な情報発信をしています。また企業向けにWeb3に関するコンサルティングや、社内研修、コンテンツ制作サポートなども提供。さらに企業向けコミュニティ「Web3 Business Hub」の運営(Kudasaiと共同運営)しています。

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