セキュリタイズが株主名簿管理大手コンピュータシェアと提携。米上場企業の株式トークン化に新枠組み提供へ

「Issuer-Sponsored Tokens(IST)」を導入

RWA(現実世界資産)トークン化企業の米セキュリタイズ(Securitize)が、株主名簿管理大手のコンピュータシェア(Computershare)との提携を4月29日に発表した。

この提携により両社は、米国上場企業が株式をトークン形式で発行するための新たな仕組みの提供を目指す。トークン化株式を既存の証券インフラと接続することで、株式のオンチェーン化を進める新たな選択肢になるとしている。

今回の連携で提供されるのは「Issuer-Sponsored Tokens(IST)」と呼ばれる仕組みだ。

ISTは、既存株式を裏付けとしたラップ型トークンではなく、発行体の資本の一部として組み込まれる形で、株式をトークン形式で発行するものと説明されている。

またISTは、既存の直接登録制度(Direct Registration System:DRS)と併存が可能で、投資家は従来の株式か、トークン形式(IST)かを選択して保有できるという。

コンピュータシェアは、ISTにおけるトランスファーエージェントとして機能し、配当や株式分割などのコーポレートアクション処理にも対応するという。

両社によると、ISTは既存の米国証券規制の枠組み内で機能するよう設計されているとのこと。

発行体と株主の直接的な関係や、コーポレートアクションのフローも維持される想定で、株主はウォレット上で資産を管理しながら、発行体との関係性を継続できるとのことだ。

セキュリタイズのCEOであるカルロス・ドミンゴ(Carlos Domingo)氏は「上場企業にとってトークン化への最適な経路を提供する」とコメントしている。

またコンピュータシェア・ノースアメリカのイシュアー・サービス部門CEOであるアン・バウアリング(Ann Bowering)氏は「既存の市場インフラとの相互運用性を確保しつつ、規制上求められる独立性や監視機能を維持する設計」と説明している。

セキュリタイズは、アポロ・グローバル・マネジメント(Apollo Global Management)、ブラックロック(BlackRock)、BNYメロン(BNY Mellon)、KKRなどと連携し、トークン化証券の発行・管理基盤を提供している。

同社によると、2026年4月時点での運用資産残高(AUM)は40億ドル(約6,424億6,000万円)超に達しているという。

また同社は2025年10月、SPACのキャンター・エクイティ・パートナーズ・ツー(Cantor Equity Partners II)との経営統合を発表しており、完了後は「SECZ」のティッカーでニューヨーク証券取引所(NYSE)またはナスダック(Nasdaq)への上場を予定している。なお、この統合は2026年前半の完了を見込んでいるが、規制当局の承認などが前提となる。

参考:発表
画像:PIXTA

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この記事の著者・インタビューイ

髙橋知里

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者

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