ロビンフッドとサスケハナが予測市場に進出へ、CFTC認可のMIAXdx買収で

ロビンフッドとサスケハナが予測市場に進出へ

ロビンフッド・マーケッツ(Robinhood Markets)とサスケハナ・インターナショナル・グループ(Susquehanna International Group)が、マイアミ・インターナショナル・ホールディングス(Miami International Holdings:MIAX)傘下の規制対象取引所「MIAXdx(MIAX Derivatives Exchange)」を買収する契約に11月25日に合意した。これにより両社は、予測市場で足場を築く動きを大きく加速させる。

両社は、MIAXdx運営のレジャーX(LedgerX)の株式90%を取得する。レジャーXは現在は破綻した暗号資産(仮想通貨)取引所FTXの一部だった。MIAXdxは、親会社であるMIAXが2023年にFTXの破産手続きからレジャーXを5,000万ドル(約77億9,600万円)で買収した後、MIAX傘下で運営されてきた。

ロビンフッドの先物・国際部門担当のバイスプレジデント兼ゼネラルマネジャーであるJB・マッケンジー(JB Mackenzie)氏は、「ロビンフッドでは予測市場に対する顧客需要が強く、その勢いをさらに伸ばせることを楽しみにしている」と述べた。

ロビンフッドは、本取引完了後、サスケハナとの合弁により、先物・デリバティブ取引所および清算機関を新たに導入する。取引の金銭条件は開示されていないが、MIAXはレジャーXの株式10%を引き続き保有する。

MIAXの会長兼CEOであるトーマス・ギャラガー(Thomas Gallagher)氏は、「当社が維持する持分を通じ、本日発表した取引によりMIAXは、拡大する予測市場へ迅速にアクセスできるようになる」と述べた。

取引は2026年第1四半期に完了する見通しで、取引所も同年に稼働を開始する見込みだ。

こうした動きの背景には、米国で予測市場ビジネスが前例のない主流の関心を集めている状況がある。予測市場は、米連邦裁判所が2024年に米商品先物取引委員会(CFTC)による選挙賭博の禁止措置を却下して以降、大きな追い風を受けた。

今月には、スポーツチームの成績に連動した証券を投資家が取引できる新プラットフォーム、インプレイ・グローバル(InPlay Global)が、来年(2026年)の取引市場立ち上げに先立ち、取引所運営会社MEMXとの提携を結んだ。

またインターコンチネンタル・エクスチェンジ(Intercontinental Exchange:ICE)は10月、世界最大の予測市場ポリマーケット(Polymarket)に最大20億ドル(約3,118億円)を投資し、ニューヨーク証券取引所(NYSE)運営会社としてイベント連動型市場へ領域を広げた。先週のテッククランチ(TechCrunch)報道によれば、もう一つの予測市場大手カルシ(Kalshi)は、直近の資金調達ラウンドで評価額が110億ドル(約1兆7,151億万円)に達したという。

CMEグループ(CME Group)とシーボー(Cboe)も、予測市場への参入を計画している。

※この記事は「あたらしい経済」がロイターからライセンスを受けて編集加筆したものです。
Hong Kong approves four more cryptocurrency exchanges
(Reporting by Summer Zhen. Editing by Jane Merriman)
参考:香港SFC
翻訳:大津賀新也(あたらしい経済)
画像:Reuters

関連ニュース

関連するキーワード

この記事の著者・インタビューイ

大津賀新也

「あたらしい経済」編集部
副編集長
ブロックチェーンに興味を持ったことから、業界未経験ながらも全くの異業種から幻冬舎へ2019年より転職。あたらしい経済編集部では記事執筆の他、音声収録・写真撮影も担当。

「あたらしい経済」編集部
副編集長
ブロックチェーンに興味を持ったことから、業界未経験ながらも全くの異業種から幻冬舎へ2019年より転職。あたらしい経済編集部では記事執筆の他、音声収録・写真撮影も担当。

合わせて読みたい記事

ステートストリートとギャラクシー、ペイパル「PYUSD」対応のトークン化流動性ファンドを来年提供へ

米金融大手ステート・ストリート(State Street)の資産運用部門であるステート・ストリート・インベストメント・マネジメント(State Street Investment Management)とギャラクシー・アセット・マネジメント(Galaxy Asset Management)が、共同でトークン化されたプライベート流動性ファンドのローンチを計画していると12月10日に発表した

コインベース、ラップド資産のブリッジ基盤にチェーンリンクの「CCIP」採用

米国上場の暗号資産(仮想通貨)企業コインベース(Coinbase)が、同社発行のラップド資産「コインベース・ラップド・アセット(Coinbase Wrapped Assets)」のブリッジ基盤として、チェーンリンク(Chainlink)のクロスチェーン相互運用プロトコル「CCIP」を採用したと12月11日に発表した

【12/12話題】wXRPがソラナに近日対応へ、ド・クォンに懲役15年、x402の最新版、Suiがブータンで技術検証など(音声ニュース)

ブロックチェーン・仮想通貨(暗号資産)・フィンテックについてのニュース解説を「あたらしい経済」編集部が、平日毎日ポッドキャストでお届けします。Apple Podcast、Spotify、Voicyなどで配信中。ぜひとも各サービスでチャンネルをフォロー(購読登録)して、日々の情報収集にお役立てください。

Sponsored