ロビンフッド、3Qの暗号資産取引収益が前年同期比で約4倍に

ロビンフッドの暗号資産取引収益が約4倍に

ロビンフッド・マーケッツ(Robinhood Markets)が、個人投資家がバブル懸念を意に介さず取引を活発化させたことで、第3四半期の利益が市場予想を上回ったと11月5日に発表した。また同社は同時に、長年CFO(最高財務責任者)を務めた幹部の退任も公表した。

今回の結果は、個人投資家がモメンタム(相場の勢いを示す際の表現)に乗じ、暗号資産(仮想通貨)、オプション、株式の取引量を押し上げたことを示している。

「当社の顧客は比較的若年層が多く、長期的な投資視野を持っている。成長株志向が自然と強いが、一方で行動はかなり慎重でもある」と来年退任予定の同社CFOのジェイソン・ウォーニック(Jason Warnick)氏は述べた。

米カリフォルニア州メンローパーク拠点の同社の第3四半期(9月30日終了)の純利益は、前年比271%増の5億5,600万ドル(約856億2,400万円)に拡大。1株当たり利益は0.61ドル(約94円)だった。調査会社エルセグ(LSEG)集計のアナリスト予想は1株当たり0.53ドル(約82円)だった。

同社は2025年の調整後営業費用(株式報酬を含む)の見通しを、従来の21億5,000万~22億5,000万ドル(約3,311億〜3,465億円)から、約22億8,000万ドル(約3,511億2,000万円)へ引き上げた。

同社株は時間外取引で約1%下落したが、年初来では約270%上昇している。

パンデミック期の個人投資家は去らず

一時はパンデミック特有の現象とみなされた個人投資家の関与は、いまや市場を形作る支配的な力になっている。

ロビンフッドの取引ベースの収入は前年同期比129%増の7億3,000万ドル(約1,124億2,000万円)に拡大。内訳は、株式が132%増、暗号資産が300%増、オプションが50%増となった。

「ロビンフッドはフィンテックの巨人に変貌しつつある。あらゆる面でエンジン全開だ」と、ザックス・インベストメント・リサーチ(Zacks Investment Research)の株式ストラテジスト、デービッド・バルトシアック(David Bartosiak)氏は語った。

CFOのウォーニック氏はまた、第4四半期は10月から力強い滑り出しだとし、株式、オプション、予測市場、先物で月間取引高が過去最高を記録したと述べた。

CFO後任は

同社によれば、ウォーニック氏は2026年にCFOを退任する。同職に就いて7年以上となる。アマゾン(Amazon)出身の同氏は翌第1四半期にCFO職を離れ、2026年9月1日まで戦略顧問を務める。

後任には長年ロビンフッドに勤務してきたシヴ・ヴェルマ(Shiv Verma)氏が就任する。ヴェルマ氏はインタビューで、同社が3月に開始した予測市場ビジネスに強気の見方を示し、「それは新しいアセットクラスであり、当社は最前線に立ちたい。重点的に投資している領域のひとつだ」と述べた。

※この記事は「あたらしい経済」がロイターからライセンスを受けて編集加筆したものです。
Robinhood profit surpasses expectations as retail traders ride market momentum
(Reporting by Niket Nishant and Pritam Biswas in Bengaluru; Editing by Sriraj Kalluvila)
参考:ロビンフッド
翻訳:大津賀新也(あたらしい経済)
画像:Reuters

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大津賀新也

「あたらしい経済」編集部
副編集長
ブロックチェーンに興味を持ったことから、業界未経験ながらも全くの異業種から幻冬舎へ2019年より転職。あたらしい経済編集部では記事執筆の他、音声収録・写真撮影も担当。

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ブロックチェーンに興味を持ったことから、業界未経験ながらも全くの異業種から幻冬舎へ2019年より転職。あたらしい経済編集部では記事執筆の他、音声収録・写真撮影も担当。

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