米JPMorganが暗号資産取引所Gemini、Coinbaseへ銀行サービス提供開始

米JPMorganが暗号資産取引所Gemini、Coinbaseへ銀行サービス提供開始

JPMorganが暗号資産(仮想通貨)取引所Gemini、Coinbaseへ銀行サービス提供開始したことをWall Street Journalが報じた。金融機関が暗号資産取引所へサービス提供をするハードルは非常に高いが、両社が複数の当事者によって規制されているという事実によって承認プロセスをスムーズに行われたとのこと。

具体的にJPMorganはこの2つの暗号資産取引所に現金管理サービスを提供し、米国を拠点とする顧客のためにドルベースの取引を処理するとのこと。取引管理に関しては、自動清算機関(ACH)ネットワークを通じて行なわれる。

またこのニュースに関してメディアThe Blockに匿名の銀行員が「JPMorganは送金やACH決済の処理を行っても得られる手数料にはビジネス価値は高くありませんが、JPMorganは他にも関連する銀行サービス、両社との追加提携、将来のIPOの獲得の可能性、あるいはJPMコインがいずれかのプラットフォーム上で提供されるなどの別の角度からのメリットがあると思うのでサービス提供を始めたのだと思います」とコメントしている。

編集部のコメント

JPMorganはInterbank Information Network, (インターバンク・インフォメーション・ネットワーク)と呼ばれるブロックチェーンベースの決済ネットワークを運営しており、加盟銀行が国際的な決済に関連する情報を交換できるようにしています。加盟銀行は、日本から70行以上、アメリカ55行以上、ヨーロッパ52行以上で、全世界合計で397銀行存在していることが明らかになっています。そして、これまでJPMorganは2016年にブロックチェーンプラットフォームQuorumの提供、2017年に債券マーケット部門ではDromaiusプロジェクトで、トークン化された1億5000万ドルの変動金利1年満期のシミュレート、2019年にJPMorganの独自通貨「JPM Coin」のテスト運用成功などブロックチェーン領域において多くの実績を残してきています。

これまでアメリカでは、伝統的な金融企業が暗号資産取引所に対してサービス提供することが消極的でした。2019年の夏に米バークレイズ銀行はcoinbaseへのサービス提供を中止していたりもします。今回、JPMorganが正式に暗号資産取引所に対してサービス提供をしたことはビッグニュースだと多くのアメリカメディアは捉えています。なぜなら伝統的な金融機関が管理している資産、ステークホルダーの資産などが暗号資産へ流れる可能性が大きくなるからです。

コメント:竹田匡宏(あたらしい経済)

(images:shilh,Who_I_am)

関連するキーワード

この記事の著者・インタビューイ

あたらしい経済 編集部

「あたらしい経済」 はブロックチェーン、暗号通貨などweb3特化した、幻冬舎が運営する2018年創刊のメディアです。出版社だからこその取材力と編集クオリティで、ニュースやインタビュー・コラムなどのテキスト記事に加え、ポッドキャストやYouTube、イベント、書籍出版など様々な情報発信をしています。また企業向けにWeb3に関するコンサルティングや、社内研修、コンテンツ制作サポートなども提供。さらに企業向けコミュニティ「Web3 Business Hub」の運営(Kudasaiと共同運営)しています。

これから「あたらしい経済」時代を迎える すべての個人 に、新時代をサバイバルするための武器を提供する、全くあたらしいWEBメディア・プロジェクトです。

「あたらしい経済」 はブロックチェーン、暗号通貨などweb3特化した、幻冬舎が運営する2018年創刊のメディアです。出版社だからこその取材力と編集クオリティで、ニュースやインタビュー・コラムなどのテキスト記事に加え、ポッドキャストやYouTube、イベント、書籍出版など様々な情報発信をしています。また企業向けにWeb3に関するコンサルティングや、社内研修、コンテンツ制作サポートなども提供。さらに企業向けコミュニティ「Web3 Business Hub」の運営(Kudasaiと共同運営)しています。

これから「あたらしい経済」時代を迎える すべての個人 に、新時代をサバイバルするための武器を提供する、全くあたらしいWEBメディア・プロジェクトです。

合わせて読みたい記事

ブラジル銀行、デジタル・ネイティブ仕組債に投資。同種取引でラテンアメリカ初

ブラジルの政府系銀行ブラジル銀行(Banco do Brasil:BB)は、自己勘定運用部門を通じ、シティグループ・グローバル・マーケッツ・ファンディング・ルクセンブルク(Citigroup Global Markets Funding Luxembourg S.C.A.)が発行した「デジタル・ネイティブ構造化債券(Digitally Native Structured Note)」に投資家として参加したと9月1日に発表した

ヴィタリック、SNARK・FHE・iOの計算コスト「将来10倍未満になる可能性60%」

イーサリアム(Ethereum)共同創業者のヴィタリック・ブテリン(Vitalik Buterin)氏が、SNARK、完全準同型暗号(Fully Homomorphic Encryption:FHE)、識別不能難読化(Indistinguishability Obfuscation:iO)の3技術について、将来的に通常計算の10倍未満のコストで実装できる可能性を60%と見積もった

ソラナ共同創業者、ロビンフッドチェーンの手数料モデルを批判。オフチェーンラボ共同創業者が反論

米金融サービス企業ロビンフッド(Robinhood)が展開するイーサリアムL2「ロビンフッド・チェーン(Robinhood Chain)」の手数料モデルを巡り、ソラナ(Solana)共同創業者のアナトリー・ヤコベンコ(Anatoly Yakovenko)氏と、アービトラム(Arbitrum)開発元オフチェーンラボ(Offchain Labs)共同創業者のスティーブン・ゴールドフェダー(Steven Goldfeder)氏がX上で議論を交わした