がん治療薬開発のリープ・セラピューティクスが「ジーキャッシュ(ZEC)」トレジャリー戦略開始、サイファーパンクに社名変更で

Leap TherapeuticsがZEC購入

米ナスダック(Nasdaq)上場のバイオテック企業リープ・セラピューティクス(Leap Therapeutics)が、社名変更および暗号資産(仮想通貨)ジーキャッシュ(ZEC)の購入を11月12日に発表した。

リープ・セラピューティクスは、がん治療薬の開発を手掛ける会社だ。同社は今回、社名をサイファーパンク・テクノロジーズ(Cypherpunk Technologies)へ変更したとのこと。また同社のティッカーシンボルは、11月13日よりLPTXからCYPHに変更される。

さらにサイファーパンク・テクノロジーズは社名変更と同時に、プライバシー保護型ブロックチェーン「ジーキャッシュ(Zcash)」のネイティブトークンZECを蓄積するトレジャリー(財務資産)戦略を開始した。同社は今回、20万3,775.27ZECを5,000万ドル(約77,4億円)で購入したという。1ZECあたりの平均取得額は245.37ドル(約3万7,995円)となっている。

同社がZECのトレジャリー戦略を採用した理由は、ジーキャッシュを「デジタル・プライバシーの資産形態」と位置づけているためだという。また、AI(人工知能)時代における既存金融インフラの透明性リスクに対するヘッジとしてZECの活用が見込めるとのこと。

同社が購入したZECは、11月に実施されたウィンクルボス・キャピタル(Winklevoss Capital)主導のPIPE(限定投資家への私募増資)で調達した5,888万ドル(約91億円)が充てられたとのこと。また、ウィンクルボス・キャピタルが同PIPEの大部分を出資したという。

ウィンクルボス・キャピタルは、海外暗号資産(仮想通貨)取引所ジェミナイ(Gemini)創業者ウィンクルボス兄弟が設立した投資会社だ。

また、11月11日付でサイファーパンクテクノロジーズの取締役会会長にキーング・オーエイ(Khing Oei)氏が、取締役かつ最高投資責任者(CIO)にウィル・マケボイ(Will McEvoy)氏が任命されたとのこと。

オーエイ氏は、ユーロ建てビットコイン(BTC)トレジャリー企業トレジャリー(Treasury)の創業者兼CEOだ。また、マケボイ氏はウィンクルボス・キャピタルのプリンシパルとして、暗号資産や宇宙・エネルギー・バイオ・防衛分野への投資を担当してきた人物だ。

参考:リープ・セラピューティクス
画像:PIXTA

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一本寿和

「あたらしい経済」編集部
記事のバナーデザインを主に担当する他、ニュースも執筆。
「あたらしい経済」で学んだことを活かし、ブロックチェーン・NFT領域のバーチャルファッションを手がけるブランド「JAPAN JACKET」を2021年10月より共同創業。

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