SBIなど主要金融機関、24時間株式トークン化取引を2026年に始動か=報道

1円から24時間365日取引が可能に

SBIホールディングスを筆頭とする日本の主要証券会社や信託銀行で構成されるコンソーシアムが、2026年から上場企業の株式をトークン化して取引できる仕組みの導入を検討していると、11月3日各社が報じた。

また、この取り組みは、デジタルアセット発行・管理基盤「Progmat(プログマ)」提供のプログマ社が主催する「デジタルアセット共創コンソーシアム(DCC)」によって検討されていることも翌4日に発表されている。プログマは、「トークン化法・株式STワーキング・グループ」を設置し、株式をブロックチェーン上で取引可能にする仕組みを検討するという。

この仕組みにより、個人投資家や機関投資家は最低1円から株式を購入でき、さらに24時間365日取引が可能になるとのこと。

このプロジェクトでは、既存の上場株式をセキュリティ・トークン(ST)として発行し、業界全体で利用できる取引インフラ上で流通させる。トークン化対象は数兆ドル規模に達する可能性があり、金融機関が協調して伝統的資産のデジタル化を進める点で注目されている。また、機関投資家も参入可能だ。

これまで日本株の多くは100株単位などの最低購入単位が設けられ、少額投資家には参入障壁となっていた。今回の新システムでは、1円から投資できる小口化と24時間取引を実現し、従来の株式市場では得られなかった流動性と柔軟性が提供される。

この仕組みは、日本が推進する、貯蓄から投資へという政策目標にも沿うものであり、デジタル世代の投資需要を取り込む狙いもあるという。

チェイナリシス(Chainalysis)のデータによれば、日本におけるオンチェーン受入額は2025年6月までの12か月間で前年同期比120%増加。

日本市場はこれまで近隣諸国と比べ低調とされていたが、暗号資産投資を考慮した規制改革、暗号資産課税制度の見直し、初の円建てステーブルコイン発行者の認可など、政策面の進展が後押ししたとみられる。

参考:報道プログマ発表
画像:iStock/ Who_I_am・your_photo

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この記事の著者・インタビューイ

髙橋知里

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者

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