JPYC社、フィリピンでデジタル送金・決済インフラ基盤の構築へ、IPS社とMoU締結で

フィリピンでのJPYC流通事業を検討へ

日本初のステーブルコイン「JPYC」発行元のJPYC社が、アイ・ピー・エス(IPS)および同社連結子会社のインフィニバン(InfiniVAN)とのステーブルコイン事業における業務提携のMoU締結を10月28日に発表した。

このMoUに基づき3社は、フィリピンペソ建ステーブルコインの発行・流通の共同事業、JPYCのフィリピンでの流通に関する共同事業を検討していくとのこと。また長期的な取り組みとして、国境を越えてデジタル通貨を安全かつ低コストでやり取りできる共通の決済基盤構築を目指すという。

なおIPSおよびインフィニバンは、フィリピンや日本において通信インフラの構築を通じ、社会課題解決や地域間格差の是正に取り組む企業。2023年にフィリピン国内海底ケーブルネットワーク(PDSCN)が完成し、ビサヤ・ミンダナオ地方を含めフィリピン全土に通信サービスを展開しているという。

現在フィリピン中央銀行(BSP)ではすでに、FinTech・VASP(仮想資産サービス提供者)を監督する枠組みを整備しており、事業環境は大きく整いつつあるとのこと。

また日本においてもJPYC社が8月18日付で資金決済法に基づく「資金移動業者」に登録され、先日10月27日より日本初となるステーブルコインJPYCの発行が開始された。

こうした両国の事業及び制度面の進展を背景にJPYC社は、「まさに今が本事業を本格検討する最適なタイミングである」と判断したとのことだ。

画像:PIXTA

関連ニュース

関連するキーワード

この記事の著者・インタビューイ

大津賀新也

「あたらしい経済」編集部
副編集長
ブロックチェーンに興味を持ったことから、業界未経験ながらも全くの異業種から幻冬舎へ2019年より転職。あたらしい経済編集部では記事執筆の他、音声収録・写真撮影も担当。

「あたらしい経済」編集部
副編集長
ブロックチェーンに興味を持ったことから、業界未経験ながらも全くの異業種から幻冬舎へ2019年より転職。あたらしい経済編集部では記事執筆の他、音声収録・写真撮影も担当。

合わせて読みたい記事

米DTCC子会社DTC、SECからノーアクションレター取得。規制下のトークン化サービス検証へ

米国の金融市場インフラを担うデポジトリー・トラスト・アンド・クリアリング・コーポレーション(Depository Trust & Clearing Corporation:DTCC)が、子会社であるデポジトリー・トラスト・カンパニー(Depository Trust Company:DTC)について、米証券取引委員会(SEC)の取引市場部門スタッフからノーアクションレターを取得したと12月11日に発表した

スーパーステートがトークン化株式の直接発行プログラム公開、ソラナとイーサリアムに対応

金融テクノロジー企業のスーパーステート(Superstate)は、イーサリアム(Ethereum)とソラナ(Solana)のブロックチェーン上でトークン化された株式を、米SEC(証券取引委員会)登録の公開企業(上場企業を含む)が直接発行できる新プログラム「ダイレクト・イシュアンス・プログラム(Direct Issuance Programs)」を12月10日に発表した