マウントゴックス、債権者への弁済期限を2026年10月まで延長へ

未受領債権者が依然多数

暗号資産(仮想通貨)取引所マウントゴックス(Mt.Gox)が、返済を受け取れていない再生債権者への弁済期限を2025年10月31日から2026年10月31日に変更した。再生管財人の小林信明氏が10月27日に公表した。

発表によれば、一部の返済を除き、再生管財人は、債権者が返済を受けるために必要な手続きを完了し、返済プロセスで問題が生じていない場合において、基本返済(Base Repayment)、早期一括返済(Early Lump-Sum Repayment)、中間返済(Intermediate Repayment)をおおむね完了しているという。

一方で、所定手続きを完了していない債権者が多く、返済プロセス上の事情で受け取れていない債権者も相当数いるため、裁判所の許可を得て期限を変更したという。

マウントゴックスは2010年にサービスとして立ち上がり、本社は東京。2014年に取引停止・破綻に至った。その後は民事再生法手続きに移行し、2021年6月に再生計画案を提出。2021年10月20日に再生計画が認可され、同案は債権者による投票を経て可決された。

マウントゴックスは弁済手続の一環で、2024年7月5日および7月16日にビットコイン(BTC)及びビットコインキャッシュ(BCH)での弁済を一部債権者に実施した。

代理受領(指定先)の一部として、国内の暗号資産取引所ビットバンク(bitbank)やSBI VCトレード、海外のクラーケン(Kraken)やビットスタンプ(Bitstamp)等が実務上関与し、両社は割当分の配布を実施していた。

オンチェーン情報の追跡プラットフォーム「アーカム(Arkham)」のデータを確認すると、記事執筆時点(2025年10月28日11:00)で、マウントゴックスは約34,690BTC(約40億ドル相当)を保有している。これは、2024年半ばに保有していた142,000BTCから75%以上の減少している。

参考:発表アーカム
画像:iStock/Foryou13

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この記事の著者・インタビューイ

髙橋知里

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者

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