プリコンファメーションで取引処理時間を200ミリ秒に短縮、ベラチェーンが新提案「BRIP-0007」で

Berachainが新提案「BRIP-0007」を発表

ブロックチェーンネットワーク「ベラチェーン(Berachain)」の開発チームが、トランザクションのインクルージョン(ブロックチェーンへの取り込み)時間を現在の2秒から約200ミリ秒に短縮するプリコンファメーション(事前確認)システムの技術提案「BRIP-0007」を10月22日に発表した。

この提案は、DeFi(分散型金融)スワップやゲーミングなど時間に敏感なアプリケーションに対してほぼ瞬時のトランザクションフィードバックを提供することを目的としている。

同システムはオプトイン方式を採用しており、ユーザーは高速なインクルージョンを選択するか、標準の2秒確認を待つかを選択できる。バリデーターは追加のソフトウェアを実行する必要がなく、プリコンファメーションシステムに問題が発生してもチェーンは通常通り動作を続けられる設計となっている。

技術アーキテクチャは3つの主要コンポーネントで構成される。まず「シーケンサー(Sequencer)」は、プリコンファメーションとして機能する部分ブロックを作成し、コメットBFT(CometBFT)コンセンサスに必要な完全ブロックもバリデーターに提供する役割を担う。

次に「RPCノード」は、部分ブロックを受信してその有効性を検証し、プリコンファームされた状態をパブリックAPIを通じて適用・提供する修正された実行クライアントとなる。最後に「ビーコンキット(Beacon-Kit)」は、外部シーケンサーからペイロードの提案を要求しつつ、フォールバックとして独自の実行レイヤーも使用するカスタマイズされたコンセンサスクライアントである。

このシステムの設計では、可用性(Liveness)、一貫性(Consistency)、運用(Operation)、信頼性の前提(Trust Assumptions)という4つの主要な動機が考慮されている。プリコンファメーションシステムのコンポーネントが故障した場合でも、チェーンは通常の2秒のブロック時間でデフォルトのブロック構築メカニズムに円滑に移行する。

プリコンファームされた状態が最終的に確定される状態であることを保証する努力が行われるが、災害シナリオでは稀に認識される不整合が発生する可能性がある。このような不整合を許容できないCEX(中央集権取引所)などのアプリケーションは、プリコンファメーションを避けることが推奨される。

シーケンサーは部分ブロックを作成・配布する責任を負い、状態管理やメンプールからのトランザクション処理を行う。部分ブロックは200ミリ秒が経過すると封印され、ブロック番号、部分ブロックインデックス、エンコードされたトランザクション、最後の部分ブロックかどうかを示すブール値、ペイロードに対するシーケンサー署名で構成される。

導入計画は3段階に分かれており、第1段階では選択されたバリデーターがオプトインし、専用のプリコンファメーションRPCエンドポイントを通じてセルフホストRPCノードからのみプリコンファームされた状態が提供される。第2段階ではより広範囲のバリデーターへの展開が行われ、第3段階では大部分のバリデーターが参加し、標準のRPCエンドポイントを通じてプリコンファームされた状態が提供される予定である。 

参考:フォーラム
画像:PIXTA

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この記事の著者・インタビューイ

田村聖次

和歌山大学システム工学部所属
格闘技やオーケストラ、茶道など幅広い趣味を持つ。
SNSでは、チェコ人という名義で、ブロックチェーンエンジニアや、マーケターとしても活動している。「あたらしい経済」の外部記者として記事の執筆も。

和歌山大学システム工学部所属
格闘技やオーケストラ、茶道など幅広い趣味を持つ。
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