米決済サービスZelle、ステーブルコイン活用で国際送金の即時化目指す

米規制明確化が後押し

米決済ネットワークのゼル(Zelle)を運営するアーリー・ウォーニング・サービス(Early Warning Services:EWS)が、ステーブルコインを活用した国際送金サービスの開発を開始すると10月24日に発表した。

これにより、米国内送金で広く利用されているゼルの即時性と利便性を、海外送金にも拡張する狙いだ。

EWSのCEOであるキャメロン・ファウラー(Cameron Fowler)氏は、ゼルの信頼性とスピード、利便性を国際送金のニーズにも提供することを目標にしていると述べ、「当社は、消費者のニーズ、銀行の能力、グローバルな機会が交差する領域に投資している。米国における規制の明確化が進んだことで、私たちが最も得意とする分野、すなわちイノベーションを市場に展開することに注力できる」とコメントしている。

今回の取り組みは、EWSの出資銀行による支援を受けて進められ、ゼルネットワークに参加する銀行・信用組合に対し公平な条件で提供される予定だ。EWSは、ゼルが提供してきた信頼性とセキュリティを国際送金にも適用し、利用者保護を一層強化していくとしている。

ゼルは米国で数千万ユーザーに利用されている個人間送金サービスだ。電話番号やメールアドレスで簡単に送金が可能。また、多くの銀行アプリに導入されており、手軽に使うことができる。EWSはゼルに加え、オンライン決済向けウォレット「Paze」などを展開し、約2,500以上の金融機関と連携している。

参考:発表
画像:PIXTA

関連ニュース

関連するキーワード

この記事の著者・インタビューイ

髙橋知里

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者

合わせて読みたい記事

米DTCC子会社DTC、SECからノーアクションレター取得。規制下のトークン化サービス検証へ

米国の金融市場インフラを担うデポジトリー・トラスト・アンド・クリアリング・コーポレーション(Depository Trust & Clearing Corporation:DTCC)が、子会社であるデポジトリー・トラスト・カンパニー(Depository Trust Company:DTC)について、米証券取引委員会(SEC)の取引市場部門スタッフからノーアクションレターを取得したと12月11日に発表した

スーパーステートがトークン化株式の直接発行プログラム公開、ソラナとイーサリアムに対応

金融テクノロジー企業のスーパーステート(Superstate)は、イーサリアム(Ethereum)とソラナ(Solana)のブロックチェーン上でトークン化された株式を、米SEC(証券取引委員会)登録の公開企業(上場企業を含む)が直接発行できる新プログラム「ダイレクト・イシュアンス・プログラム(Direct Issuance Programs)」を12月10日に発表した