規制対応や新政権のステーブルコイン方針が影響か
韓国の中央銀行である韓国銀行(BOK)は、今年第4四半期に予定されていた中央銀行デジタル通貨(CBDC)試験プログラムの第2フェーズ準備を一時停止したようだ。シンガポールの経済紙「ビジネス・タイムズ」が6月30日に報じた。
報道によれば、BOKはCBDCパイロットプロジェクトに参加している銀行に対し、同プロジェクトに関する議論を一時中断するよう通知したという。
韓国の新大統領である李在明(イ・ジェミョン)氏は現在、ステーブルコイン関連の政策を推進しており、幅広い企業がステーブルコイン事業に参加できるようにする方針を掲げている。
李大統領率いる与党「共に民主党」は6月、韓国企業によるステーブルコインの発行を認める「デジタル資産基本法案」を国会に提出。
この法案では、資本金5億ウォン以上を保有する韓国企業に対し、ステーブルコインの発行を認める内容が含まれている。
韓国銀行の兪相大(ユ・サンデ)副総裁は6月24日、ステーブルコインの導入は段階的に進めるべきであり、規制当局の監督下にある銀行が主導する必要があると述べ、市場混乱の防止と消費者保護の必要性を強調した。
韓国銀行は2023年5月、サムスン電子(Samsung)と協力し、CBDCエコシステムの開発に乗り出した。
2023年10月には、国際決済銀行(BIS)などと協力し、CBDCのホールセール型テストを開始することを発表。
さらに2024年9月には、韓国銀行が約10万人を対象としたトークン化預金のトライアルを準備していることが報じられ、同年11月には科学技術情報通信部(MSIT)および金融委員会(FSC)と共に、CBDCおよび預金トークン基盤の「国民体感型デジタル金融サービス実証」に向けた業務協約(MoU)を締結した。