リップル、Wormhole統合で「XRP Ledger」のマルチチェーン相互運用性を拡張

XRP LedgerがWormholeと統合

リップル(Ripple)社が、クロスチェーン相互運用プロトコルの大手「ワームホール(Wormhole)」をXRP Ledger(XRPL)メインネットとXRPL EVMサイドチェーンの両方に統合することを6月26日発表した。この統合により、クロスチェーンメッセージング、資産転送、トークンのマルチチェーン発行が可能になり、DeFi(分散型金融)、機関投資家向けオンチェーン金融、実世界資産(RWA)の新たなユースケースをサポートするという。

今回の統合により開発者と機関投資家は、暗号資産(仮想通貨)のエックスアールピー(XRP)、発行済み資産(IOU)、多目的トークン(MPT)などのXRPL固有の資産を、35以上のワームホールがサポートしているブロックチェーン間で移動できるようになる。また、チェーン間でスマートコントラクトと相互作用し、メッセージングやデータトリガーを使用した機能も利用可能になるとのことだ。

ワームホール財団の共同創設者ロビンソン・バーキー(Robinson Burkey)氏は、「XRP Ledgerにワームホールを統合することで、企業金融で最も確立されたブロックチェーンネットワークの1つについて、すべての主要ブロックチェーンにわたるさらなる可能性を解放し、規制された相互運用可能なデジタル資産エコシステムの基盤としての役割をさらに前進させることを支援している」と語った。

リップル社の最高技術責任者(CTO)でXRPLの共同作成者であるデイヴィッド・シュワルツ(David Schwartz)氏は、「真の大量採用を望むなら、相互運用性は不可欠だ。インフラストラクチャは1つのチェーンだけでなく、チェーン間に存在する必要がある」と述べた。また「この統合により、XRP Ledgerでネイティブに発行されたトークンは、ネイティブ発行と制御を維持しながらブロックチェーンネットワーク間を移動できるようになり、その現実に対応できるよう設定されている」と付け加えている。

リップルは6月、Circle(サークル)のステーブルコイン「USDC」のXRPLメインネット採用、DeFiプラットフォーム「Ondo Finance(オンド・ファイナンス)」によるオンチェーン米国政府債務商品でのXRPLサポート追加、そして第2四半期中のイーサリアム仮想マシン(EVM)サイドチェーンローンチ計画の発表など、活発な動きを見せている。今回のワームホール統合は、XRPLの柔軟でオープンなマルチチェーンエコシステム構築を加速させることになる。

ワームホールは、35以上のブロックチェーンエコシステムにわたって200以上のアプリケーションを支援するクロスチェーンプロトコルだ。2020年のローンチ以来、10億件を超えるクロスチェーンメッセージと600億ドル以上のクロスチェーン取引量を処理しており、ブラックロック(BlackRock)、セキュリタイズ(Securitize)、アポロ(Apollo)などの大手金融機関がサービスを利用しているという。

参考:リップルブログ
画像:iStocks/StationaryTraveller・iam2mai

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この記事の著者・インタビューイ

田村聖次

和歌山大学システム工学部所属
格闘技やオーケストラ、茶道など幅広い趣味を持つ。
SNSでは、チェコ人という名義で、ブロックチェーンエンジニアや、マーケターとしても活動している。「あたらしい経済」の外部記者として記事の執筆も。

和歌山大学システム工学部所属
格闘技やオーケストラ、茶道など幅広い趣味を持つ。
SNSでは、チェコ人という名義で、ブロックチェーンエンジニアや、マーケターとしても活動している。「あたらしい経済」の外部記者として記事の執筆も。

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