メタマスクに独自トークン発行の可能性?共同創業者が発言

トークン発行は「もしかしたら」

Web3ウォレット「メタマスク(MetaMask)」の共同創設者であるダン・フィンレイ(Dan Finlay)氏が、メタマスクの独自トークン発行を検討している可能性があることを示唆した。メディア「ザ・ブロック(The Block)」のポッドキャスト番組「Crypto Beat」の5月15日配信回で語られた。

番組にて、「ザ・ブロック」のグロース責任者(Head of Growth)であるティム・コープランド(Tim Copeland)氏からネイティブトークン作成の可能性について問われたフィンレイ氏は、「もしかしたら(Maybe)」と答え、もし実現する場合には、ウォレット内で公式に通知され、リンクもウォレット内に直接表示されるだろうと述べた。

フィンレイ氏は、具体的なトークン発行計画については言及しなかったが、米国におけるトークン規制について触れ、トランプ政権下で暗号資産(仮想通貨)に対する規制緩和が見られることから、より多くの種類のトークン発行に安全性が担保される環境が整いつつあると述べた。そのうえで、「皆が取り組める先例を確立するためにも、この機会を活用すべき」と語っている。

さらにフィンレイ氏は、多くのトークン発行と同様に、独自トークンが詐欺に悪用されるリスクについても強い懸念を示した。同氏は「トークン投機には、詐欺師がユーザーを標的にする機会を与える側面がある」とし、メタマスクに関する正式なトークン告知は、ウォレット内通知および公式サイトのみを通じて行われ、ソーシャルメディアやテキストメッセージなどを通じて発表されることはないと強調した。

メタマスクの独自トークンをめぐっては、以前からユーザーの間で期待が高まっていた。2021年には、メタマスク開発元のコンセンシス(Consensys)のCEOジョセフ・ルービン(Joseph Lubin)氏がXで「Wen $MASK?」と投稿し、トークン発行への関心を示していた。これは、開発者のエリック・マークス(Erik Marks)氏が提案したウォレットのコミュニティ所有権を実現するためのトークン発行に関する構想への反応だったとされている。

なお、当時から現在に至るまで、正式なトークン計画や配布時期についての明言はない。

またフィンレイ氏は、メタマスクがこの1年でレインボー(Rainbow)やラビー(Rabby)といった競合ウォレットとの競争に対応するため、複数のユーザー体験(UX)改善を段階的に導入してきたことについても言及。自分たちが誰でも参加できる領域で競争しているとし、チームとして非常に速く、激しい競争が起こることは当初から想定したと述べている。

画像:iStock/Rabbit_Photo

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この記事の著者・インタビューイ

髙橋知里

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者

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