米マウントサイナイ病院がIBD患者のケアのため、ブロックチェーンを活用

米マウントサイナイ病院がIBD患者のケアのため、ブロックチェーンを活用

ニューヨークのマウントサイナイ病院とOpen Health Network社が、炎症性腸疾患(IBD)に苦しむ患者のためのブロックチェーンベースのヘルスケアプラットフォームを活用していることを、LedgerInsightsが報じた。

このプラットフォーム名は「GRItT-Pro(グリットプロ」だ。「GRItT-Pro」は、医療従事者がIBD患者に関するすべての情報を表示できるダッシュボードを提供。これにより介護者は患者が直面している特定の状態を調査し、ケアルーチンを提案することができる。実装内容はマウントサイナイ病院で導入されていた手動のシステムをブロックチェーン化したもの。

マウントサイナイ病院は2018年にバイオメディカル・ブロックチェーン研究センターを設立し、ブロックチェーンを研究する初期の病院の1つだった。

IBDとは特に2つの消化器系の病気、クローン病と潰瘍性大腸炎を指す用語で、病状は慢性的であり、時には生命を脅かすような状況になることがある。だから薬物療法とは別に、医療従事者による長期的なケアを必要とする生活習慣の変化を行うことが最善の治療法で、患者の状態によって医療従事者の対応を変化させる必要がある。

マウントサイナイ病院のLaurie Keefer(ローリー・キーファー)博士は「COVID-19の影響で、チーム全員がリモートで仕事をしています。その際に、医療従事者・病院がプロバイダーと連携してデジタルコミュニケーションツールを使用することは、IBD患者に質の高いケアを提供し続ける上で非常に重要です」とコメントしている。

編集部のコメント

このブロックチェーンプラットフォームを提供するOpen Health Network社は、2013年に設立されました。同社は、ブロックチェーン、AI、ビッグデータを利用して、患者、医療提供者、その他の関係者向けのヘルスアプリケーションを開発しています。

同社にはもう一つ、PatientSphere(ペイシャントソフィアー)というソリューションがあり、ユーザーが健康データをコントロールして収益化できるようにしています。

コロナウイルスのような有事の場合、医療従事者が継続的に直接患者のことを観察できないことがあります。その場合、ブロックチェーンのデータ取引のリアルタイム性が非常に有用なのだと、このユースケースは示してくれているとあたらしい経済編集部は考えます。

一方、患者の医療データは機密情報で、どのようにセキュリティを担保しているかを明らかにすれば、より医療領域にブロックチェーン適用が進んでいくと考えられます。

コメント:竹田匡宏(あたらしい経済編集部)
イメージ:(Tuadesk,stockdevil)

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あたらしい経済 編集部

「あたらしい経済」 はブロックチェーン、暗号通貨などweb3特化した、幻冬舎が運営する2018年創刊のメディアです。出版社だからこその取材力と編集クオリティで、ニュースやインタビュー・コラムなどのテキスト記事に加え、ポッドキャストやYouTube、イベント、書籍出版など様々な情報発信をしています。また企業向けにWeb3に関するコンサルティングや、社内研修、コンテンツ制作サポートなども提供。さらに企業向けコミュニティ「Web3 Business Hub」の運営(Kudasaiと共同運営)しています。

これから「あたらしい経済」時代を迎える すべての個人 に、新時代をサバイバルするための武器を提供する、全くあたらしいWEBメディア・プロジェクトです。

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