【取材内容追記】小口化商標権NFTで酒蔵へ投資可能にする「Sake World」提供開始、ポリゴン採用

リーフ・パブリケーションズ提供の「Sake World酒蔵投資」が開始

小口化された商標権を購入することで日本酒の酒蔵への投資を可能にする投資サービス「Sake World酒蔵投資」が、3月17日より提供開始された。同サービス提供元であるリーフ・パブリケーションズが同日に発表した。なお同社は、日本酒メディア「Sake World」および日本酒のNFTマーケットプレイス「Sake World NFT」などの日本酒事業を展開する京都の企業だ。

発表によると同サービスの第1弾では、商標権「Sake World」の共有持分をNFTとして販売するとのこと。

ブランドオーナーとなる同NFTの購入者は、当該商標を使用して日本酒を製造する酒蔵「Sake World牧野蔵」から出荷された日本酒・清酒等の出荷量1mlあたり0.3円(一升瓶1本あたり540円)が配当として付与されるとのこと。なおこの配当は、50年以上の長期にわたり、毎年付与されるという。また出荷量が増えれば、配当も増加する仕組みとなっている。

またNFT購入者は、「Sake World牧野蔵」で製造された希少な日本酒を、一般販売に先立って優先的に購入できる権利も得られるという。

さらに、リーフ・パブリケーションズが日本酒事業で活用してきた「Sake World」のロゴが、購入者自らの飲食店運営等においても使用が可能になるとのことだ。

なお商標権の共有持分は減価償却の対象になるとのこと。そのため個人事業主や企業のNFT購入者は、減価償却により節税メリットを享受できるとのことだ。

商標権「Sake World」の共有持分NFTは、1口5,500円(税込)にて2026年8月31日まで販売される。ただし予定販売数に達した場合、販売を終了するとのこと。なお商標権持分の販売総額は22億円(40万口)となるようだ。

また第1回配当は、2027年1月中が予定されている。なお同配当は、第1期の事業実施期間(2025年10月1日~2026年9月31日)の課税移出量に基づいて算定されるとのことだ。

今回の「Sake World」販売にあたりリーフ・パブリケーションズは、商標代金の全額返金キャンペーンを実施するとのこと。

同キャンペーンは、2025年12月末までの「Sake World」購入者を対象に、第1期の事業実施期間(2025年10月1日~2026年9月30日)が終了した1カ月後の2026年10月31日までの間に解除通知書、本人確認書類その他リーフ・パブリケーションズ所定の書類を同社に郵送することにより、商標代金額全額(返還時の振込手数料等の発生実費は購入者様が負担)を返金するとのことだ。

なお「あたらしい経済」編集部がリーフ・パブリケーションズへ取材したところ、今回のNFTをミント(発行/鋳造)するブロックチェーンはポリゴン(Polygon)とのことだ。

また「Sake World」のNFTの2次流通の可否や商標権の共有持分をNFTとして取り扱った理由について同社へ質問をしている。こちらについては回答が得られ次第、この記事に追記させていただく予定だ。

ちなみにリーフ・パブリケーションズが展開する「Sake World NFT」は、日本暗号資産ビジネス協会(JCBA)が3月13日に公開した「RWAトークンの利活用に関するガイドライン」にて事例として取り上げられている。「Sake World NFT」は、日本酒と引換え可能なNFT「酒チケット」を購入できるマーケットプレイスとのことだ。

リーフ・パブリケーションズへ取材

※以下3.21 13:35追記

「あたらしい経済」編集部はリーフ・パブリケーションズへ「2次流通の可否」および「商標権の共有持分をNFTとして取り扱った理由」について取材。以下の回答を得た。

・「Sake World」のNFTは2次流通は可能でしょうか?

Sake World酒蔵投資にて発行する商標トークンは、2次流通できない仕様のものとなります。

・今回の商標権の共有持分をあえてNFTとして取り扱った理由はどういったものでしょうか?

Sake World酒蔵投資は、個人が気軽に、簡単に、酒蔵に対して投資・支援できる環境を構築できないかとの考えから生まれたサービスです。

個人が気軽に投資できるようにするには、“小口・少額”で投資できるようにすることが必要となりますが、“小口・少額”での投資を可能とすると、様々な弊害も発生します。

例えば、Sake World酒蔵投資は、特定の商標が付された日本酒の出荷量に応じて配当される仕組みを採用していますが、日本酒という商品の特性上、事業の初期段階では出荷量が少なくなることが予想され、現金で配当を送金する場合には、配当よりも振込手数料の方が高くなるケースが懸念されます。

その他にも、現金で配当を行う場合には、振込先口座の確認なども必要となりますが、投資単位が小口・少額となると十分な対応コストをかけることができないといった課題も発生します。

これらの課題を解決するため、Sake World酒蔵投資では、商標権の共有持分の売買にあたってご購入者に商標トークンを受領していただくことで、ウォレットアドレスを把握し、配当を当該ウォレットアドレス宛に暗号資産(POLを想定しています。)で送付するという仕組みを取り入れています。

参考:リーフ・パブリケーションズ
画像:iStocks/Ket4up

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この記事の著者・インタビューイ

大津賀新也

「あたらしい経済」編集部
記者・編集者
ブロックチェーンに興味を持ったことから、業界未経験ながらも全くの異業種から幻冬舎へ2019年より転職。あたらしい経済編集部では記事執筆の他、音声収録・写真撮影も担当。

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記者・編集者
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