ブラックロックら7社申請の「現物ビットコインETF」、米SECが承認判断を延期=報道

米SECが現物ビットコインETFの承認判断を延期

米証券取引委員会(SEC)が、現物ビットコインETF(上場投資信託)についての承認判断を延期した。米web3メディアThe Blockが8月31日報じた。

現在のところSECが申請を受理しているのは、ブラックロック(BlackRock)、フィデリティ(Fidelity)、ビットワイズ(Bitwise)、ヴァンエック(VanEck)、ウィズダムツリー(WisdomTree)、インベスコ(Invesco)、ヴァルキリー(Valkyrie)の7社の現物ビットコインETF。これらについて承認判断が延期されている。

報道によると、ビットワイズの「ビットワイズ・ビットコインETPトラスト(Bitwise Bitcoin ETP Trust)」の判断期限は10月16日まで延期されるとのこと。

またブラックロックの「iシェアーズ・ビットコイン・トラスト(iShares Bitcoin Trust)」とフィデリティの「ワイズ・オリジン・ビットコイン・トラスト(Wise Origin Bitcoin Trust)」、ヴァンエックの「ヴァンエック・ビットコイン・トラスト(VanEck Bitcoin Trust)」、ウィズダムツリーの「ウィズダムツリー・ビットコイン・トラスト(WisdomTree Bitcoin Trust)」、そしてインベスコの「インベスコ・ギャラクシー・ビットコインETF(Invesco Galaxy Bitcoin ETF)」の5社のETFは10月17日まで延期されるという。

そしてヴァルキリーの「ヴァルキリー・ビットコイン・ファンド(Valkyrie Bitcoin Fund)」は10月19日まで延期されるとのことだ。

なおこのニュースを受け、31日に27,200ドル台を推移していたビットコイン(BTC)は一時25,752.93ドルまで急落した。記事執筆時点では24時間で4.6%の価格下落を起こしている(2023.9.1 16:30 コインマーケットキャップ調べ)。

ワシントンD.C.の連邦控訴裁判所が8月29日に提出した意見書によると、米控訴裁判所はSECに対し、暗号資産(仮想通貨)運用会社グレイスケール(Grayscale)が申請する現物ビットコインETFの承認拒否を取り消すよう命じたことが明らかになっている。

意見書では、SECが2つのビットコイン先物ETPの上場は許可したにもかかわらず、グレイスケール申請の現物ビットコインETFを承認しなかった理由が十分に説明されていないと指摘。

控訴裁はSECに対し、「一貫した説明がない以上、同種の商品に対するこのような規制上の扱いは違法」とし、グレイスケールの現物ビットコインETFの再審査請求を認め、SECの命令を取り消すとの判決を下していた。

この出来事によりビットコインの価格は24時間で5.42%上昇した。しかし今回のSECの判断延期により、グレースケール勝訴の報告以前のビットコイン価格にほぼ戻っている状況だ。

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参考:The Block
デザイン:一本寿和
images:iStocks/24K-Production

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この記事の著者・インタビューイ

大津賀新也

「あたらしい経済」編集部
記者・編集者
ブロックチェーンに興味を持ったことから、業界未経験ながらも全くの異業種から幻冬舎へ2019年より転職。あたらしい経済編集部では記事執筆の他、音声収録・写真撮影も担当。

「あたらしい経済」編集部
記者・編集者
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