セキュリタイズ、暗号資産投資プラットフォーム「オンランプ」買収へ

オルタナティブ資産分野へのトークン化投資提供へ

デジタルアセット発行プラットフォーム運営のセキュリタイズ(Securitize)が、暗号資産(仮想通貨)投資プラットフォーム提供のオンランプ・インベスト(Onramp Invest)を買収する予定だと8月17日発表した。

発表によれば、今後、オンランプ・インベストはセキュリタイズの子会社として事業を継続し、セキュリタイズの製品を既存の製品に統合していく予定とのこと。買収取引は数日中に完了する見込みで、取引条件は明らかにされていない。

この買収により登録投資顧問(RIA)が顧客へ、プライベート・エクイティ、プライベート・クレジット、セカンダリー・不動産など、オルタナティブ資産分野へのトークン化された投資を、オンランプ・インベストのダッシュボードを通じて即座に提供できるようになるとのこと。

RIAはセキュリタイズのオルタナティブ投資ポートフォリオに直接アクセスできるようになることで、オルタナティブ資産運用会社の機関投資家向け株式クラスを顧客に提供できるようになり、最低投資額や手数料が下がり、流動性にアクセスできるようになるとのことだ。

なおオルタナティブ投資とは、上場株式や債券といった伝統的資産と呼ばれるもの以外の新しい投資対象や投資手法を指す言葉で、具体的な投資対象としては農産物・鉱物、不動産などの商品、未公開株や金融技術が駆使された先物、オプション、スワップなどの取引が挙げられる。

オンランプ・インベストの創設者兼CEOであるエリック・アービン(Eric Ervin)氏は、「より多くのアドバイザーが顧客のためにオルタナティブ投資を選択するようになるのは、その利点が明確だからだ。セキュリタイズは、より低い最低額、より低い手数料、流通市場を通じた出口流動性の可能性を提供することで、これを解決する。トークン化は投資分野における主要なプレーヤーとなり、すべての金融専門家がこの変化を受け入れることができるようにすることが不可欠だ」と述べている。

またセキュリタイズとオンランプ・インベストは今年3月に提携を発表している。

オンランプ・インベストのRIAは、プライベート投資のトークン化を進めるセキュリタイズの提供するプライベート・エクイティのフィーダーファンドにアクセスできるようになるという。

なおセキュリタイズは昨年9月、米プライベートエクイティ大手KKRのヘルスケア戦略的成長ファンドII(KKR’s Health Care Strategic Growth Fund II)の一部の持分をトークン化している。

オンランプについて

オンランプ・インベスト提供の投資プラットフォーム「オンランプ」は、従来の金融インフラとデジタル資産の金融インフラを接続するターンキー・デジタル資産管理プラットフォームだ。同プラットフォームを通じて、金融専門家は数分で顧客をデジタル資産投資のエコシステムに乗せることができ、保有口座の閲覧とデジタル資産への直接投資の両方が可能で、拡大するファンド、モデル、インデックス、ポートフォリオ管理サービスといったライブラリにアクセスが可能となるとのことだ。

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参考:プレスリリース
デザイン:一本寿和
images:iStocks/jittawit.21

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この記事の著者・インタビューイ

髙橋知里

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者
同志社大学神学部を卒業後、放送局勤務を経て、2019年幻冬舎へ入社。
同社コンテンツビジネス局では書籍PRや企業向けコンテンツの企画立案に従事。「あたらしい経済」編集部では記事執筆を担当。

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者
同志社大学神学部を卒業後、放送局勤務を経て、2019年幻冬舎へ入社。
同社コンテンツビジネス局では書籍PRや企業向けコンテンツの企画立案に従事。「あたらしい経済」編集部では記事執筆を担当。

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