Cboe、フィデリティの現物ビットコインETF申請を再提出、コインベースとの取り締まり提携も計画=ロイター

シーボーがフィデリティのビットコインETF申請を再提出

米大手デリバティブ取引所を運営するシーボーグローバルマーケット(Cboe Global Markets Inc)が6月30日、米大手資産運用会社フィデリティ(Fidelity)による現物ビットコインの上場投資信託(ETF)の組成を米証券取引委員会(SEC)へ申請し直した。また大手暗号取引所コインベース(Coinbase)と協力して相場操縦を防止するとも発表されている。

SECはシーボーに対し、直近で提出されたフィデリティのビットコインETFを上場・取引するための提出書類は、不透明で不完全であると指摘。SECはナスダックに対しても、ブラックロックが最近行ったビットコインETFのスポット上場申請について同様の懸念を示したという。

このことに詳しい関係者によると、主な問題点は、取引所がビットコイン市場における不正行為の検出をサポートするための監視共有契約を締結する予定である暗号資産取引プラットフォームの名前を挙げていなかったことだという。

これを受けシーボーは、ウィズダムツリー(WisdomTree)、ヴァンエック(VanEck)、インベスコ(Invesco)とギャラクシー(Galaxy)の共同によるビットコインETFの上場申請を6月30日にSECへ再提出。シーボ―はすべての提出書類の中で、コインベースと監視共有契約を結ぶ予定だと述べている。

この件について、SEC、シーボー、ナスダック、フィデリティ、ブラックロック、コインベースはコメントを控えている。

SECは今月、取引所としての登録を怠ったとしてコインベースを訴えている。シーボーのフィデリティ・ビットコインETF申請書によると、同社のプラットフォームは5月の米ドル建てビットコイン取引の約半分を占めている。

コインベースは6月28日にマンハッタン連邦裁判所へ提出した書簡の中で、同社のプラットフォームで取引されている暗号資産は「投資契約」ではなく、したがって証券ではないため、規制当局には民事請求を追求する権限がないと主張。SECの訴訟を破棄するよう裁判官に求めると述べた。

SECは大手暗号資産取引所バイナンス(Binance)も提訴しており、バイナンスが提供する世界最大の暗号資産取引プラットフォームが「欺瞞の網(web of deception)」を運営していると主張している。

SECのインターネット執行局の元局長ジョン・リード・スターク(John Reed Stark)氏は、暗号資産市場について、「この市場は透明性がなく、監査もされていないばかりか、SECによれば、操作が横行している」と述べた。

ブラックロックとフィデリティが最近ビットコインETFを申請したことで、ビットコイン価格は6月15日以来20%以上急騰し、1年ぶりの高値をつけた。

暗号資産の価格は、2022年後半に起こった取引所FTXの突然の破綻を含む、一連の暗号資産企業のメルトダウンが投資家心理を悪化させたため、今年の大半の期間は下落圧力にさらされていた。

「SECがビットコインETFの申請に関する詳細情報を要求した後、ビットコインの価格がよく持ちこたえたことは、投資家心理が弱気に転じていないことを示唆している」とオアンダ(Oanda)社のシニアマーケットアナリスト、エドワード・モヤ(Edward Moya)氏は述べている。

また、モヤ氏は「ビットコインETFの申請について、SECが少し反発していると聞いても驚くことではありません。すぐに譲歩して、すぐに承認されると期待するのは現実的ではないと私は思う」と続けている。

SECは近年、2022年1月のフィデリティからの申請を含め、数十件のビットコインETFの申請を却下している。

SECはすべてのケースにおいて、提出書類が詐欺的・操作的行為を防止し、投資家と公共の利益を保護するために設計された基準を満たしていないと述べている。

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※この記事は「あたらしい経済」がロイターからライセンスを受けて編集加筆したものです。
Cboe refiles Fidelity bitcoin ETF application, plans Coinbase policing partnership By John McCrank and Carolina Mandl
Reporting by Carolina Mandl and John McCrank, in New York, and Manya Saini in Bengaluru; Additional reporting and editing by Michelle Price. Editing by Shinjini Ganguli, Michelle Price, Alexander Smith and David Gregorio
翻訳:髙橋知里(あたらしい経済)

images:Reuters

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髙橋知里

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者
同志社大学神学部を卒業後、放送局勤務を経て、2019年幻冬舎へ入社。
同社コンテンツビジネス局では書籍PRや企業向けコンテンツの企画立案に従事。「あたらしい経済」編集部では記事執筆を担当。

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者
同志社大学神学部を卒業後、放送局勤務を経て、2019年幻冬舎へ入社。
同社コンテンツビジネス局では書籍PRや企業向けコンテンツの企画立案に従事。「あたらしい経済」編集部では記事執筆を担当。

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