倒産したFTX、LedgerXを約66.8億円で売却へ

LedgerX売却へ

経営破綻した暗号資産(仮想通貨)交換業者FTXが、同社の暗号資産デリバティブ・プラットフォームLedgerX(レジャーエックス)をマイアミ・インターナショナル・ホールディングス(Miami International Holdings Inc)の関連会社に5,000万ドル(約66.8億円)で売却することに合意したと、4月25日発表した。

FTXは5月4日に行われる公聴会で、売却に関する米連邦破産裁判所の承認を求める予定だ。

FTXのCEOジョン・J・レイ三世(John J. Ray III)氏は、声明にて「私たちは、ステークホルダーに回復をもたらすために資産を収益化するという私たちの継続的な努力の一例として、マイアミ・インターナショナル・ホールディングスとこの合意に至ったことを嬉しく思う」と述べている。

11月の破産申請以来、FTXは73億ドル(約9,742億円)以上の現金及び流動的な暗号資産を回収したことを今月初めに報告している。その一環として資産の売却を続けており、直近ではSui(スイ)ブロックチェーンを開発するミステンラボ(Mysten Labs)の株式を9,500万ドル(約127億円)で売却することに合意している。

売却先のマイアミ・インターナショナル・ホールディングスは、バミューダ証券取引所と、マイアミ国際証券取引所を含む米国で登録された複数の証券取引所を所有している企業だ。同社はロイターに対し、LedgerXの買収合意を認めたが、それ以上のコメントは控えた。

当時FTXでは、トレーダーらが3日間のうちに同社のプラットフォームから数十億を引き揚げ、救済取引を提案してきたライバル取引所のバイナンスからそれを放棄された後、11月11日に米国で破産保護を申請した。

米国商品先物取引委員会(CFTC)によって規制されているLedgerXは、FTXの破産手続きから除外された。FTX USは2021年、暗号資産の先物・オプション取引に進出するため、LedgerXを買収していた。

FTXは今月初め、債権者・顧客にどのように返済するつもりかを打ち出す破産計画に取り組んでいると述べた。FTXは、そのプロセスの一環として、暗号取引所の再開または売却を検討する可能性がある。

FTX創業者のサム・バンクマンフリード(Samuel Bankman-Fried:SBF)氏と数人の会社関係者は、同社の破綻に関与したとして、詐欺罪で起訴されている。

サム・バンクマンフリード氏が無罪を主張したのとは対照的に、彼の元側近たちは有罪を認め、検察に協力することに合意している。

サムが愛したゲームにも影響が

FTXの経営破綻は、今もなお多くの企業に影響を与えている。

FTXが破綻前に買収した企業で、web3ゲーム「ストーリーブックブラール(Storybook Brawl:SBB)」を提供するグッドラックゲームズ(Good Luck Games)もその1つだ。

グッドラックゲームズは、FTXの破綻後、経営を持続させるための新たな道探しに苦労したようで、「ストーリーブックブラール」を閉鎖することを4月26日に発表した。

同ゲームのツイッターは「5月1日にサーバーを停止します。それまでSBBを楽しんでください。そして、すべての思い出に感謝します」とツイートしている。

「ストーリーブックブラール」は、かつてSBF氏が愛したインディーゲームだという。同氏はニューヨーク・タイムズにて、同ゲームを 「ちょっとくつろげて」、「心が晴れる」ゲームだとと語っていた。また12月のツイッタースペースにて同氏は、バハマで逮捕される数時間前にもこのゲームをプレイしていたと語っている。

なおメディアDecrypt(ディクリプト)によると「ストーリーブックブラール」の平均プレイヤー数は、FTX買収前の2022年2月の平均プレイヤー数817人から、この1カ月で平均プレイヤー数約331人に59%減少したとのことだ。

※本記事に関しまして、日本円の金額換算に誤りがありましたので、該当部分修正いたしました。

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※この記事は「あたらしい経済」がロイターからライセンスを受けて編集加筆したものです。
Bankrupt crypto firm FTX to sell LedgerX for $50 million Reporting by Mehnaz Yasmin in Bengaluru and Dietrich Knauth in New YorkEditing by David Gregorio and Matthew Lewis
翻訳:髙橋知里(あたらしい経済)
images:Reuters

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髙橋知里

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者
同志社大学神学部を卒業後、放送局勤務を経て、2019年幻冬舎へ入社。
同社コンテンツビジネス局では書籍PRや企業向けコンテンツの企画立案に従事。「あたらしい経済」編集部では記事執筆を担当。

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者
同志社大学神学部を卒業後、放送局勤務を経て、2019年幻冬舎へ入社。
同社コンテンツビジネス局では書籍PRや企業向けコンテンツの企画立案に従事。「あたらしい経済」編集部では記事執筆を担当。

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