破産したボイジャーデジタルがバイナンスUSの買収提案に基本合意、米司法省の上訴は継続

バイナンスUSによるボイジャー買収提案が前進

バイナンスUS(Binance.US)による、暗号資産(仮想通貨)レンディング企業ボイジャーデジタル(Voyager Digital)の買収計画が進みそうだ。ボイジャーデジタルが、買収計画を進めるために、米国連邦政府との協定に調印した。

4月19日にニューヨーク地方裁判所に提出された書類によれば、ボイジャーデジタルと無担保債権者公式委員会、そして米国政府の3者は、買収計画を予定通り進めることに合意したことが確認できる

しかし一方で米司法省(DOJ)は、免責条項(ボイジャーが特定の法的責任から保護されることを可能にする条件であると主張するもの)に関する上訴に引き続き取り組めるとのことだ。

またボイジャーデジタルの無担保債権者公式委員会の4月20日のツイートによれば「この決議は、本プランの免責条項に関して上訴を継続することを定めた共同声明に反映されている。政府は当該条項がなくても計画を進めることができることに同意しており、それ以外の点では延期措置の対象とはならない」とのことだ。

またボイジャーデジタルは現在、バイナンスUSと協力しており、この規定が地裁で承認された後、買収提案をできるだけ早く進める姿勢を示している。

バイナンスUSのボイジャー買収提案

ボイジャー買収提案は、バイナンスUSがボイジャーへ現金2000万ドル(約27億円)を支払い、ボイジャーユーザーから預かっていた暗号資産を引き継ぐというものだ。

この買収提案は1月5日、米証券取引委員会(SEC)が、売買契約書へバイナンスUSの取引完了能力に関する詳細が欠けていたとし、一部異議を申し立てた。その後1月9日に開催された公聴会にて、ボイジャーが提出したバイナンスUSの支払い能力に関する情報を連邦地裁判事が承認。3月7日、米連邦破産裁判所より買収提案が承認された。

しかしこの買収提案は最終決定したわけではなく、ボイジャーはバイナンスUSの規制遵守状況・顧客預金の安全性に関する課題を検討中であった。

また対米外国投資委員会(CFIUS)も、同買収を米国国家安全保障上のリスク面から調査しており、3月9日には米司法省の破産監視機関である米国管財人局とニューヨーク州南部地区連邦検事局が、買収提案を不服として控訴状を提出していた。これはボイジャーの破産計画において、破産中に生じる法的申し立てから従業員を保護する箇所の保護範囲が広範に記載されているため、もし買収を認めれば、規制当局による強制措置や刑事告訴が妨げられる可能性があるとして行われていた。

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参考:裁判資料
デザイン:一本寿和
images:iStock/Muhammad-Farhad

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この記事の著者・インタビューイ

髙橋知里

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者
同志社大学神学部を卒業後、放送局勤務を経て、2019年幻冬舎へ入社。
同社コンテンツビジネス局では書籍PRや企業向けコンテンツの企画立案に従事。「あたらしい経済」編集部では記事執筆を担当。

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者
同志社大学神学部を卒業後、放送局勤務を経て、2019年幻冬舎へ入社。
同社コンテンツビジネス局では書籍PRや企業向けコンテンツの企画立案に従事。「あたらしい経済」編集部では記事執筆を担当。

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