米NY連邦破産裁判所、バイナンスUSのボイジャー買収案を差し止め

バイナンスUSのボイジャー買収案を差し止め

バイナンスUS(Binance.US)による、暗号資産(仮想通貨)レンディング企業ボイジャーデジタル(Voyager Digital)の買収計画は依然として進まなさそうだ。米ニューヨーク連邦破産裁判所が3月27日、計画の仮差し止めを命じた。

裁判資料によれば、裁判所は、米司法省の破産監視機関である米国管財人局らがこの買収提案の合法性を争う上訴の時間の猶予を与えたとした。なお判決理由をまとめた意見書は改めて発行されるという。

なおボイジャーデジタルは昨年7月、多額の貸付を行っていたスリーアローズ・キャピタル(3AC)が受けた破産命令による債務不履行により、財務状況が悪化し同裁判所へ破産申請を行っていた。

その後12月にボイジャーデジタルは、同社の資産の売却先としてバイナンスUS(Binance.US)を選択したことを発表していた。

バイナンスUSのボイジャー買収提案

ボイジャー買収提案は、バイナンスUSがボイジャーへ現金2000万ドル(約27億円)を支払い、ボイジャーユーザーから預かっていた暗号資産を引き継ぐというものだ。

この買収提案は1月5日、米証券取引委員会(SEC)が、売買契約書へバイナンスUSの取引完了能力に関する詳細が欠けていたとし、一部異議を申し立てた。その後1月9日に開催された公聴会にて、ボイジャーが提出したバイナンスUSの支払い能力に関する情報を連邦地裁判事が承認。3月7日、米連邦破産裁判所より買収提案が承認された。

しかしこの買収提案は最終決定したわけではなく、ボイジャーはバイナンスUSの規制遵守状況・顧客預金の安全性に関する課題を検討中であった。

また対米外国投資委員会(CFIUS)も、同買収を米国国家安全保障上のリスク面から調査しており、3月9日には米国管財人局とニューヨーク州南部地区連邦検事局が買収提案を不服として控訴状を提出していた。これはボイジャーの破産計画において、破産中に生じる法的申し立てから従業員を保護する箇所の保護範囲が広範に記載されているため、もし買収を認めれば、規制当局による強制措置や刑事告訴が妨げられる可能性があるとして行われていた。

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参考:裁判資料
デザイン:一本寿和
images:iStocks/zimmytws

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この記事の著者・インタビューイ

髙橋知里

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者
同志社大学神学部を卒業後、放送局勤務を経て、2019年幻冬舎へ入社。
同社コンテンツビジネス局では書籍PRや企業向けコンテンツの企画立案に従事。「あたらしい経済」編集部では記事執筆を担当。

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