LINEが「フィンシア財団」設立、グローバルWeb3事業の拡大とパブリックチェーン化を目指し

LINEが「フィンシア財団」設立

LINEのグループ会社LINE TECH PLUS(ラインテックプラス:LTP)が、グローバルWeb3事業のさらなる拡大に向け、非営利団体「Finschia Foundation(フィンシア財団)」を設立したことを4月17日発表した。同財団は、アラブ首長国連邦アブダビにおいて3月31日に設立していたとのこと。

発表によると「フィンシア財団」では、LINEが独自開発した「LINEブロックチェーン」の第3世代のメインネット「Finschia(フィンシア)」と、同ブロックチェーンの独自トークンである暗号資産「リンク:LINK(LN)」を運営していくという。またその他にも同財団では、Finschia Ecosystemの拡大に向けて「Finschia Governance」を導入し、既存のガバナンス体制をコンソーシアム型へと転換する予定とのことだ。

なおLTPによると「LINK」はアブダビ・グローバル・マーケット(ADGM)の規制対象商品ではないため現在、「フィンシア財団」はADGMの金融サービス規制庁(FSRA)によるライセンス取得は必要ないとのことだ。

LTPは昨年12月、LINEブロックチェーンのオープンネットワーク(パブリックチェーン)化に向けた「Finschia」のローンチを発表していた。

現在のメインネットである第2世代の「Daphne(ダフネ)」は「Finschia」に統合される予定となっている。なお昨年に「あたらしい経済」編集部がLTPに確認をとったところ、メインネットの統合は「2023年Q2(4-6月)中を予定」しているとのことだった。

今後「フィンシア財団」ではLINEブロックチェーンのパブリックチェーン化を目指し、コミュニティーによる意思決定が可能なオンチェーンガバナンスや「LINK」のステーキング、スマートコントラクトなどの機能を通じて、すべてのユーザーが参加できるブロックチェーンプラットフォームを構築する予定としている。

また同財団は、ガバナンス参加者やパートナー企業とともに、「Finschia」を安定的に運営しながら、透明性のあるトークンエコノミーを構築していくと述べている。

なお今回の「フィンシア財団」設立は、LTPが昨年12月に発表した「トークンエコノミー2.0」戦略の一環によるものとのこと。同戦略においては「Finschia」のローンチにより、インフレーションアルゴリズムに基づいた「LINK」の自動発行モデルへの移行や「LINK」の発行量限度の廃止、「Finschia」にて新規発行された「LINK」の分配計画などが決められている。

LINEブロックチェーンとは

LINEブロックチェーンは、LINEが独自開発したプライベートブロックチェーンだ。コスモス(ATOM)の開発基盤となっている「Tendermint BFT(Benzantine fault Tolerance)」によって開発されており、イーサリアムとの相互運用が計画されている。

またLINEブロックチェーンではネイティブトークンの「リンク:LINK(LN)」が発行されており、国内ではLINE BITMAX(ラインビットマックス)で入手できる。海外においては韓国拠点の取引所Bithumb(ビッサム)の他、グローバル取引所のMEXC Global(エムイーエックスシーグローバル)、Gate.io(ゲートアイオー)にて「LINK」の取引が行われている。

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参考:LINE
デザイン:一本寿和
images:iStocks/Funtap

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この記事の著者・インタビューイ

大津賀新也

「あたらしい経済」編集部
記者・編集者
ブロックチェーンに興味を持ったことから、業界未経験ながらも全くの異業種から幻冬舎へ2019年より転職。あたらしい経済編集部では記事執筆の他、音声収録・写真撮影も担当。

「あたらしい経済」編集部
記者・編集者
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