バイナンス、韓国大手取引所「GOPAX」の過半株式を取得

バイナンスが韓国GOPAXの過半株式取得

大手暗号資産(仮想通貨)取引所バイナンス(Binance)が、韓国大手暗号資産取引所ゴーパックス(GOPAX)の株式過半数を取得したことを2月3日発表した。なお取得額については非公表。

今回のバイナンスによるGOPAXの株式取得は、バイナンスによる「暗号資産業界復興ファンド(Industry Recovery Initiative:IRI)」による取り組みの一環とのこと。同ファンドは、昨年11月に経営破綻に追い込まれたFTXによって発生している流動性危機にあるプロジェクトの支援を目的に設立されている。

発表によると昨年11月にゴーパックスは、暗号資産の貸出プログラムを通じて数十万人の投資家に証券を違法に販売したとして米証券取引委員会(SEC)から起訴されたジェネシスグローバルキャピタル(Genesis Global Capital)の影響を鑑み、DeFi(分散型金融)サービスの利回り商品の出金と利払いをするサービス「GoFi」を停止していたという。

その停止以降ゴーパックスは、規制当局や業界パートナーと緊密に連携しながら、影響を受けたユーザーの支援をするために資金調達の方法を模索していたとのこと。

バイナンスは今回の株式取得を通じて、ゴーパックスに資本注入とGoFiユーザーへの出金と利払いを可能にするよう対応していくという。

またバイナンスとゴーパックスは、ユーザー向けのブロックチェーンに関する無料学習コンテンツ「バイナンスアカデミー」を通じて教育・啓蒙活動をさらに強化するとし、韓国におけるエコシステム全体を活性化するよう注力するとのことだ。

バイナンス創業者兼CEOであるチャンポン・ジャオ(Changpeng Zhao)は「バイナンスは、我々のユーザーならびに業界全体を保護することに責任があると考えています。業界復興イニシアチブは、昨年業界内で起きた度重なる出来事によって深刻な影響を受けた有力企業を全面的に支援することが目的です。今回のGOPAXとの歩みによって、韓国における暗号資産・ブロックチェーン業界全体を再構築する一助となれば幸いです」とリリースにコメントを残している。

なおバイナンスは、韓国でサービスを展開していたバイナンスコリア(Binance KR)を2021年1月をもってサービス終了していた。

バイナンスコリアは2020年4月にオープンした取引所であり、サービス終了はオープンからわずか8か月となっていた。同取引所においての暗号資産の取引量が少なくユーザーに十分な流動性とサービスを提供できないとサービス終了した理由が説明されていた。

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参考:バイナンス
デザイン:一本寿和

images:iStock/alice-photo

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大津賀新也

「あたらしい経済」編集部
記者・編集者
ブロックチェーンに興味を持ったことから、業界未経験ながらも全くの異業種から幻冬舎へ2019年より転職。あたらしい経済編集部では記事執筆の他、音声収録・写真撮影も担当。

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