EYとポリゴンのBCソリューション「Nightfall」、ローンチ前の最終フェーズへ

EYとポリゴンの「Nightfall」、ローンチ前の最終フェーズへ

4大監査法人の1つであるEYとパブリックブロックチェーンを開発するPolygon(ポリゴン)の両組織が、エンタープライズ向けのブロックチェーンソリューション「Nightfall(ナイトフォール)」のソースコード更新を1月18日に発表した。

これにより「ナイトフォール」はローンチ前の最終段階に入った模様だ。

「ナイトフォール」は、パブリックなイーサリアム(Ethereum)ブロックチェーン上でプライベートな取引を可能にするのに役立つゼロ知識証明を活用したソリューションだ。企業は「ナイトフォール」を活用することで、イーサリアムが提供する透明性、データの不変性、セキュリティを損なうことなく、イーサリアムのメインネット上でプライベートトランザクションを効率的に自動化することが可能になっている。

今回、両組織がソースコードを更新した理由は、プライバシーに重点を置いたエンタープライズブロックチェーンソリューションの開発を可能にするためだという。

具体的に更新したのは2点だ。

1点目は組織やグループによる支配を防ぐため、完全に分散化されたベースでコードを展開できる仕様に更新したとのこと。

そして2点目はオープンかつパーミッションレスなネットワークモデルを維持しながら匿名での利用を防ぐため、ユーザーが入金・出金の際にエンタープライズクラスの「X.509証明書」を持つ必要がある設計としたという。

なお「X.509証明書」とは、インターネット上で使用される本人確認のためのオープンスタンダードとして広く採用されており、多くの異なる認証局から入手することができるものだという。

EYグローバルブロックチェーンリーダーであるポール・ブロディ(Paul Broady)氏は「このアップデートにより、ナイトフォールはエンタープライズソリューションの開発に対応できるようになりました。6ヶ月以上のテストネットの運用により、現在のナイトフォールは顧客のサプライチェーンとビジネスオペレーションを可能にするプロダクションベータ版になったと考えています」とリリースで伝えている。

ナイトフォールを担当するポリゴン共同創業者のアントニ・マーティン(Antoni Martin)氏は「ナイトフォールをパブリックドメインでアップデートする動きは、イーサリアムのエコシステムをスケールアップするための大きなマイルストーンであり、Web3における企業の新しいユースケースを切り開くことになるでしょう」と同じくリリースで述べている。

参考:EY
images:iStocks/KTStock
デザイン:一本寿和

この記事の著者・インタビューイ

竹田匡宏

兵庫県西宮市出身、早稲田大学人間科学部卒業。
「あたらしい経済」の編集者・記者。

兵庫県西宮市出身、早稲田大学人間科学部卒業。
「あたらしい経済」の編集者・記者。

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