【取材】米ビットコインマイニング企業Bit Digital、イーサ(ETH)ステーキング事業開始

BTCマイニング企業Bit Digital、ETHステーキング事業開始

米マイニング企業ビットデジタル(Bit Digital)が、イーサリアムのイーサ(ETH)のステーキング事業を開始したことを12月22日に発表した。

ビットデジタルは、ブロックチェーンネットワークの安全性と強化に貢献するため、保有するイーサ(ETH)をイーサリアムのバリデータノードにステーキングしていくとしている。

なおステーキングに関わるステークホルダーは、報酬としてネイティブネットワークのトークンが支払われる。

ビットデジタルのステーキング事業は、ノード管理とステーキングのための機関投資家向けブロックチェーンインフラを提供するブロックデーモン(Blockdaemon)と提携し、進めていくという。

なおビットデジタルは、ブロックデーモンとステイクワイズ(StakeWise)が開発したリキッドステーキングプロトコル「ポータラ(Portara)」を介してリキッドステーキングに参加するとのことだ。

リキッドステーキングとは、ステーキングされたイーサ(ETH)の資本効率を高めるための方法だ。現在イーサ(ETH)をステーキングすると、ロックされ、そのイーサは利用できない仕様だ。

そこでリキッドステーキングでは、ステーキングした人の資本効率を高めるために、ロックされたイーサ(ETH)に応じてトークンが発行される仕組みとされている。

なおビットデジタルが活用するリキッドステーキングプロトコル「ポータラ(Portara)」は、KYC(顧客確認)した機関投資家向けのものである。 

ビットデジタルは「ビットコインへの未来に関しても強気であり、ビットコインブロックチェーンをサポートする一方で、バリデータの報酬を通じてイーサリアムネットワークから収益を得ることを期待しています」と伝えている。

なお12月20日時点で、ビットデジタルは7,904ETHと2,004sETH-h(リキッドステーキングトークン)を保有しており、その合計価値は約1210万ドルとなっているという。

また現在ビットデジタルはネイティブステーキングまたはリキッドステーキングのいずれかのプロトコルを使用して、2,164ETHがステーキングされている状態とのことだ。

ビットデジタルのCEOブライアン・ビュレット(Bryan Bullett)氏は「私たちは中核となるビットコインのマイニング事業から、イーサリアム・ブロックチェーン上のトランザクションの検証へと拡大することに興奮しています。別の優良な暗号資産エコシステムへの事業の多様化は、暗号資産の報酬の新しい、予測可能で、定期的なストリームを作成するという目標を運んでくれます。明確にしておくと、私たちは今後もマイニング事業への投資を続け、機動的に拡大していくつもりです。ビットコインのマイニングとETHのステーキングを合わせて、当社の全体的なマージンとリターンのプロファイルを強化する補完的なビジネスラインであると確信しています。ビットデジタルにとってエキサイティングな展開であり、最終的にはすべてのステークホルダーにとって価値を最大化できると信じています」とリリースでコメントしている。

ブロックデーモンのCEO兼創設者コンスタンチン・リヒター(Konstantin Richter)氏は「ブロックデーモンはビットデジタルと提携し、彼らの新しい戦略的PoSにクラス最高の機関レベルのインフラを提供できることを誇りに思います。この新しいパートナーシップにより、ビットデジタルはブロックデーモンの一連の機関投資家向けステーキングソリューションに完全にアクセスできるようになり、保有する暗号資産から得られる報酬を増やすことができるようになりました。ブロックデーモンは、機関投資家がブロックチェーンベースのビジネスを拡大し構築できるようなプロダクトとサービスを提供するために、ゼロから構築しました」と伝えている。

加筆:1月20日17時15分

ブロックデーモンのアンドリューへ取材

あたらしい経済編集部はブロックデーモンのAPAC担当のアンドリュー・ヴラニェス(Andrew Vranjes)氏へ取材を行った。

–ビットコインのマイナーがイーサリアムのステーキングに関心を持つようになってきているのでしょうか?

マイニングとステーキングは、ブロックチェーンネットワークをサポートすることで報酬を得ながら、それぞれのネットワークの分散化という同じ目標を達成することを目的としています。

Ethereumのステーキングは、マイニングと比較して、エネルギー消費量、報酬、必要なリソースが少ないため、一部の人にとって望ましいとされています。

The Mergeの後、イーサリアムはProof-Of-Work (PoW) から Proof-Of-Stake (PoS) に切り替わりました。その結果、最終的に、より安全でスケーラブルかつ効率的なネットワークが実現しました。

そしてPoSとPoWを比較した場合、大きな利点の1つはエネルギー消費の削減です。

Post-Mergeでは、イーサリアムのネットワークは99.8%少ない電力を使用しています。ビットコインのマイナーがイーサリアムを保有していれば、莫大な資源を必要とする大規模施設であることが多いマイニングファームを必要とせず、それをステークして報酬を得ることができるのである。

ビットコインは業界のゴールドスタンダードでしたが、参入障壁や価格変動が小さくなれば、チェーン間の動きも期待でき、全体としてそれぞれのエコシステムを継続的に発展させるのに役立ちます。

–Portaraは、規制対象の金融機関がリキッドステーキングを利用し、コンプライアンスに則った運用ができるようにするために、どのような規制に対応しましたか?

Portaraは、世界初の規制対応型リキッドステーキングトークンです。完全なKYC、制裁審査、AML審査は、金融機関にとって必須の要件です。

しかし現在の市場では、今までリキッドステーキングのための実行可能なソリューションがありませんでした。

Portaraは、規制対象機関がコンプライアンス要件を満たすDeFiと対話するために、最も信頼され確立されたリキッドステーキングのソリューションを提供します。

参考:BitDigital
images:iStocks/NKTN

この記事の著者・インタビューイ

竹田匡宏

兵庫県西宮市出身、早稲田大学人間科学部卒業。
「あたらしい経済」の編集者・記者。

兵庫県西宮市出身、早稲田大学人間科学部卒業。
「あたらしい経済」の編集者・記者。

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