ハーモニーの「Horizon Bridge」再稼働、LayerZero採用で

「Horizon Bridge」がLayerZero採用で再稼働

今年6月23日にハッキング被害を受けた「Horizon Bridge(ホライゾンブリッジ)」が再稼働したことが10月27日発表された。「Horizon Bridge」はL1ブロックチェーン「ハーモニー:Harmony(ONE)」上に構築されているトークンブリッジプロトコルだ。イーサリアム(ETH)ブロックチェーンとBNBチェーン間の資産移動に使用されていた。

なお「ホライゾン」再稼働にあたりハーモニーは、オムニチェーン相互運用性プロトコル「レイヤーゼロ(LayerZero)」をブリッジパートナーとして選択したとのこと。

「レイヤーゼロ」は異なるブロックチェーン同士を繋げ、統一的なコミュニケーション規格を提供するプロトコル。同プロトコルでは異なるチェーン間でネイティブな直接通信を実現するため、トークンブリッジの際にブリッジ元のトークンを「ホライゾン」にロックする必要がなくなる。そのため以前受けたハッキングのような、ブリッジにロックされたトークンが流出する被害については回避できるようになるようだ。

また今回「ホライゾン」のコンテキストにおける既存のマルチシグ検証レイヤーを「レイヤーゼロ」 の検証レイヤーに置き換えたことにより、「レイヤーゼロ」の検証を構成する2つの重要なインフラ(オラクルとリレーヤー)は、専門知識を持ったサードパーティのオペレータが専門的に運用・保守するため、ハーモニーはバックエンドのインフラを運用・保守する必要がなく、リスクを大幅に低減できるとしている。

さらに「ホライゾン」では、脅威監視とスマートコントラクト防御機能を提供するweb3セキュリティインフラストラクチャ「イージス(Aegis)」を採用することで、追加のセキュリティ対策を講じたとのことだ。

「ホライゾン」のハッキング事件は6月23日5:30(太平洋標準時)に発生。犯人が合計11件の不正なトランザクション実行し、イーサリアムチェーン上で「ホライゾン」から1億ドル相当になる複数種類のトークンを流出させていた

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参考:ハーモニー
デザイン:一本寿和

images:iStocks/metamorworks

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大津賀新也

「あたらしい経済」編集部
記者・編集者
ブロックチェーンに興味を持ったことから、業界未経験ながらも全くの異業種から幻冬舎へ2019年より転職。あたらしい経済編集部では記事執筆の他、音声収録・写真撮影も担当。

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ブロックチェーンに興味を持ったことから、業界未経験ながらも全くの異業種から幻冬舎へ2019年より転職。あたらしい経済編集部では記事執筆の他、音声収録・写真撮影も担当。

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