【取材】ソラナ(SOL)、web3スマホ「Saga」来年発売へ

ソラナがweb3スマホ「Saga」来年発売へ

ソラナ(Solana/SOL)ブロックチェーンの主要開発元ソラナラボ(Solana Labs)の子会社が、web3スマートフォン「Saga」を6月24日に公開した。

ソラナモバイル(Solana Mobile)とスマホ開発企業OSOMが連携し、「Saga」を開発しているとのこと。販売は2023年Q1の予定で、現在ウェイティングリストが公開されている。ウェイティングリストに登録するには、前払金として100USDC(Solana基盤)が必要となっている。

「Saga」は、6.6インチのディスプレイと512GBのストレージを搭載したアンドロイド(Android)のスマホだ。「Solana Mobile Stack」や「Seed Vault」などの機能やプロトコルも搭載されるとのこと。

「Solana Mobile Stack(SMS)」は分散型アプリを利用可能にするためのアンドロイド用オープンソースソフトウェアツールキットであり、「Seed Vault」は秘密鍵をウォレット、アプリ、Android OSから分離して保管しながら取引の即時署名を容易にするカストディプロトコルとのことだ。

なお「Solana Mobile Stack」は、6月24日より利用可能だ。また決済アプリ「Solana Pay」やアプリ配信システムの「Solana dApp Store」は、「Solana Mobile Stack(SMS)」に組み込まれているとのことだ。

Solanaの共同設立者アナトリー・ヤコヴェンコ(Anatoly Yakovenko)氏は、次のようにコメントしている。

「開発者はあまりにも長い間、既存のゲートキーパーモデルが機能しないために、真に分散化されたモバイルアプリの作成を阻まれてきました。私たちはモバイルデバイスを使い生活していますが、web3領域においては秘密鍵管理に対するモバイル中心のアプローチがありません。Solana Mobile Stackは、オープンソースで安全、かつweb3に最適化され、使いやすいSolanaの新しい道を示しています」

なお「Saga」は、当初はアメリカ、カナダ、EU、イギリスで販売開始される予定とのことだ。

加筆:6月24日16時

Solana Foundationのビジネストップを務めるドミニク氏へ取材

「あたらしい経済」編集部は、Solana FoundationのHead of Businessを務めるドミニク・ツァン(Dominic Tsang)氏へ取材を行った。

−−他の暗号資産プロジェクトは独自スマートフォンを開発する予定はありませんが、なぜソラナはスマートフォンが必要だと考えたのでしょうか?

ソラナがスマートフォンを必要としているわけではありません。ブロックチェーン業界が世界的な普及、あるいは次のレベルの普及を目指すのであれば、モバイル業界への参入が必要なので、私たちは参入します。

現在、GoogleやAppleのようなゲートキーパーは、彼らのデバイス上での分散型アプリ(dApps)をそれほどサポートしていません。

その上、今日、すべての人が行うインタラクションのほとんどはモバイル上で行われています。暗号資産市場のユーザーがデスクトップに留まるのは、もう限界だと思います。

−−スマホに関して、日本展開の予定はありますか?

スマホを日本で展開することも考えてはいますが、今のところ、まずアメリカからスタートして徐々に展開していく予定となっています。アメリカでの結果次第で、徐々に拡大していく予定です。

web3スマホは、まったく新しいカテゴリーのプロダクトです。だから無理はしませんし、急ぐこともありません。

参考:ソラナ
デザイン:一本寿和
images:iStocks/eskymaks

関連するキーワード

この記事の著者・インタビューイ

竹田匡宏

兵庫県西宮市出身、早稲田大学人間科学部卒業。
「あたらしい経済」の編集者・記者。

兵庫県西宮市出身、早稲田大学人間科学部卒業。
「あたらしい経済」の編集者・記者。

合わせて読みたい記事

【10/2話題】株式会社Progmatが新経営体制で運営開始、Intmaxがウォレットレス・ウォレット提供開始など

株式会社Progmat設立、新経営体制で運営開始、ステートレスzkRollup「Intmax」、ウォレットレス・ウォレット発表、ヴィタリック、リキッドステーキングによる中央集権リスクについて言及、SBI、「XDC Network」の運営会社と国内合弁会社を設立へ、破産した3AC共同創業者がシンガポールで逮捕と清算人が発表=報道、丸紅と常陽銀行出資のデジタル証券準備会社子会社ら、新たに「プロ向け不動産STOファンド」組成完了、北國銀行、石川県珠洲市でデジタル地域通貨「トチツーカ」開始、10月から、USDCのサークルが「ステーブルコインは有価証券にあたらない」と主張、バイナンス対SEC訴訟で、ドリコムとアニモカブランズジャパンが提携、「Eternal Crypt – Wizardry BC -」の海外展開へ向け、ポリゴンラボのポリゴンPoS、グーグルクラウドがバリデーターに参画、アバランチのAva Labs、独自データベース「Firewood」の開発者プレビューを公開

ドリコムとアニモカブランズジャパンが提携、「Eternal Crypt – Wizardry BC -」の海外展開へ向け

国内大手ゲーム企業ドリコムが、香港拠点のブロックチェーンゲーム開発企業アニモカブランズ(Animoca Brands)の子会社Animoca Brands株式会社(アニモカブランズジャパン)と、Web3領域におけるグローバル展開に向け、パートナーシップ締結に合意したと9月26日発表した

ヴィタリック、リキッドステーキングの中央集権リスクについて言及

イーサリアム(Ethereum)の共同創業者であるヴィタリック・ブテリン(Vitalik Buterin)氏が、「イーサリアムはプロトコルにもっと多くのものを記述して問題ないでしょうか?:Should Ethereum be okay with enshrining more things in the protocol?」というタイトルのブログを9月30日に投稿し、リキッドステーキングによる中央集権リスクについて言及した