【取材】加藤ミリヤや松井秀喜がNFT活用へ、ナッジがクレカ特典の実証実施

加藤ミリヤや松井秀喜がNFT活用へ、ナッジがクレカ特典の実証実施

国内のフィンテックスタートアップであるナッジ(Nudge)が、NFTをユーザー特典として活用する実証実験(PoC)を4月より開始することが分かった。同社提供のアプリでクレジットカードが作成できるサービス「Nudge」にて実施される。

「Cashless to earn」と名付けられたこの実証実験では、同社の次世代型クレジットカード「Nudgeカード」の利用に応じて従来特典としで提供していたデジタルデータが、NFT化され提供されるとのことだ。

なおこの実証実験では、アーティスト加藤ミリヤ氏の従来のクラブ「MILIYAH Loveheart Club」とは別に、実証実験専用のチャリティークラブが期間限定で立ち上げられる。そしてこの取り組みから得られるクラブの収益は、子どもたちが音楽やアートを通して自分自身のことを自由に表現する喜びを伝えるための活動に寄付される予定とのこと。

また、松井秀喜氏が主宰するNPO法人である「松井55ベースボールファウンデーション 」についても、NFTを特典とするチャリティークラブの立上げを準備しているとのことだ。

この実証実験では、ブロックチェーン基盤は日本発パブリックブロックチェーンである紫電ネットワーク(SDN)が、NFTマーケットプレイスは「tofuNFT」が活用されるとのこと。またNFTの発行及び配布に関しては、SUSHI TOP MARKETINGが協力するとのこと。

紫電ネットワークは日本発のパブリックブロックチェーンであるアスターネットワーク(旧Plasm)とほぼ同じコードベースを使用して構築されており、ポルカドットの10分の1規模の試験的なネットワークであるクサマネットワークに接続することを目的に作られたブロックチェーンだ。

また「tofuNFT」は、暗号資産価格掲載アプリ「コイン相場」を提供するコインジンジャ(COINJINJA)が提供するマルチチェーン対応のNFTマーケットプレイス。

SUSHI TOP MARKETINGはNFT配布サービス「NFT top shot」や音でNFTを配信するソリューション「AUDIO TOKEN DISTRIBUTOR」を開発し販売する企業だ。

なおこの実証実験ではNFTはクレジットカードの利用特典としてのみ提供され、特典として提供されるNFTの販売は行われず、配布したNFTについてユーザー間等における売買は想定していないとのことだ。

また将来的には、NFTを通じたユーザー体験(UX)の更なる向上のため、「Nudge」のアプリ上において、クレジットカード利用特典としてのNFT配布のみならず、NFTの販売や売買・トレードが可能となるような仕組みについても検討を進めているという。

加筆:3/30(木)15時30分

ナッジ代表取締役の沖田貴史へ取材

あたらしい経済編集部は、ナッジ株式会社代表取締役の沖田貴史氏へ取材を行なった。

−−法定通決済に付随する特典としてのNFT、どのような目的で実証実験を始めようと考えたのでしょうか?

現在のNFTは、Crypto決済やウォレットが必要で初心者にとってハードルが高いと思います。 今回は初めてNFTに触れるというファンの方も多いはずなので、そこのハードルを下げたいと思い、今回のスキームにしました。なのでそもそも支払いが発生せず、MetaMaskなどを持っていない人も暫定ウォレットで受け取れます。

−−日本発のブロックチェーンShidenとNFTマーケットプレイスtofuNFTを活用する理由はなんでしょうか?

tofu NFTを活用する理由は、初心者(ウォレットを持っていない人)でも受け取れるようにするためです。 shidenに関しては、スピードとコストの観点で、今回のPoCに向いていると判断しました。

openseaでの再販などを考えるとpolygonが良いと思いますが、今回は(禁止はしていませんが)再販を想定してはいません。

ただし、今後は用途に合わせて適切な技術基盤を活用していく予定です。 

−−消費者がお金を使う理由は、今後どのように変化していくと考えていますか?

決済は、そもそもで何かを得るための手段であり目的ではないです。 その観点ではフリクション(摩擦がない)というのが理想であり、決済手段そのものよりもそれによって『どのような体験が得られるか?』が重要になると考えています。

この記事の著者・インタビューイ

竹田匡宏

兵庫県西宮市出身、早稲田大学人間科学部卒業。
「あたらしい経済」の編集者・記者。

兵庫県西宮市出身、早稲田大学人間科学部卒業。
「あたらしい経済」の編集者・記者。

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