【取材】国内初のイーサリアム(ETH)担保ローンを提供へ、大和証券グループのFintertech

国内初のETH担保ローンを提供へ、Fintertech

大和証券グループのフィンターテック(Fintertech)が、イーサリアムの暗号資産イーサ(ETH)の担保ローンの提供を開始したことが2月2日に分かった。

フィンターテックは2020年4月より「デジタルアセット担保ローン」サービスを開始していた。これまでこのサービスの対応通貨はビットコインであったが、このたびイーサ(ETH)が追加された。

なお国内においてイーサリアムの担保ローンが提供されるのは初の事例となる。 このサービスの対象は個人投資家だけでなく法人も含まれている。また貸出金利は金額に応じて変わり、年率4〜8%、融資額は個人が200万円から最大5億円、法人が500万円から最大5億円となっている。

そして契約期間は法人・個人ともに1年だ。 今回イーサリアム(ETH)担保ローンを提供するに至った背景は、顧客からの要望が多かったからだという。

ETH担保ローン提供までの過程

「あたらしい経済編集部」はFintertech プロダクトマネージャー 相原一也氏へ取材を行った。

–イーサリアム(ETH)対応に至るまでに、どのようなハードルがあったのでしょうか?

システム・事務の変更、担保掛目設定、マネーロンダリング対策です。複数通貨対応のためのシステム・事務等諸々の変更が必要でした。時間はかかりましたが、この対応によって今後の担保対象追加は比較的やりやすい状況になっています。

担保掛目について、50%は大和証券の証券担保ローンでは海外上場株式と同じ水準です。海外上場株式よりボラが高く、BTCより時価総額、流動性で劣後するETHが50%でよいのか、という論点もありましたが、顧客利便性を優先し、また検証結果も踏まえ50%に決めました。

マネーロンダリング対策について、BTCに比べてETHの方が自由度が高く、その分幅広いマネロン手法が存在するため、最新動向踏まえた様々なパターンを想定してマネロン対策を構築しました。

–またユーザーのニーズは具体的にどれほどありましたか?

BTC以外の通貨に対するご要望としてはやはりETHを望む声が一番多く、既存のお客様からの引き合いも含め数十件の要望が寄せられていました。 ちなみにETH以外では、XRP、ADA、USDCへの対応要望をいただくことが多いです。

images:iStocks/Lidiia-Moor
デザイン:一本寿和

関連するキーワード

この記事の著者・インタビューイ

竹田匡宏

兵庫県西宮市出身、早稲田大学人間科学部卒業。
「あたらしい経済」の編集者・記者。

兵庫県西宮市出身、早稲田大学人間科学部卒業。
「あたらしい経済」の編集者・記者。

合わせて読みたい記事

【9/6話題】テレグラムCEOが逮捕後初の声明、トランプが米国を「暗号資産とBTCの世界的中心地」にすると宣言など(音声ニュース)

テレグラムCEO、逮捕後初の声明発表。同社使命に同意できない国からは撤退の意志も、トランプ、米国を「暗号資産とBTCの世界的中心地」にすると宣言。イーロンマスクと共に米政府財務監査行う姿勢も、スイ(SUI)、機関投資家向け米ドルステーブルコイン「AUSD」利用可能に、モジュラーブロックチェーン「Elixir」、最終テストネット公開、EigenLayer、メジャーアップデート「アイゲンポッドアップグレード」導入、FlowがEVM対応開始、メタマスクでも利用可能に、TONブロックチェーン、総トランザクション数が10億件を突破、半数は3か月、Penpieで27Mドルの不正流出、Pendleは105Mドルの保護に成功

Sponsored

暗号資産決済Mercuryoがマルチチェーンデビットカード提供開始、マスターカードと提携で

暗号資産(仮想通貨)決済プラットフォーム「マーキュリョ(Mercuryo)」が決済大手の米マスターカード(Mastercard)と提携し、ノンカストディアル型のウォレットから暗号資産を直接使えるマルチチェーンデビットカード「スペンド(Spend)」の提供開始を9月5日発表した