【取材】フィジーやトンガら4ヵ国、ソラミツと中銀デジタル通貨発行検討へ

フィジーやトンガら4ヵ国、ソラミツと中銀デジタル通貨発行検討へ

フィジー、ソロモン諸島、トンガ、バヌアツの4ヵ国が、ソラミツと中央銀行デジタル通貨(CBDC)発行を検討する12月29日に分かった。

ソラミツは、既にカンボジア国立銀行との共同開発により、オープンソースのブロックチェーン「Hyperledger Iroha」の技術を利用して2020年10月よりCBDCの「バコン」の実運用を開始している。

カンボジア国立銀行によると、2021年8月時点において「バコン」のホールセール決済は約590万人の利用者となり、開始から10ヶ月という短期間で国民1670万人の約3分の1に普及しているという。

またソラミツは今年の10月からラオスとCBDC発行の検討について進めている。

ちなみに今回の取り組みはソラミツがNTTデータ経営研究所のブロックチェーン関連業務の一部を受託したかたちで行われる。

具体的にソラミツはこの4ヵ国で、金融インフラの状況を調査し、金融機関間の決済の実情やキャッシュレスの流れがどの程度進展し、そこに資金移動業者などのプレイヤーがサービスを提供しているかなどの現地の特徴を把握し、分析していくとのことだ。

「あたらしい経済編集部」はソラミツ株式会社代表取締役社長である宮沢和正氏を取材した。

−なぜ今、小国でCBDCの動向が活発化していると考えていますか?

その理由は大きく6つあると考えています。

1.エルサルバトルと同様に、出稼ぎ送金の需要が大きいが、手数料や日数がかかるから。

2.トンガは170の島からなる10万人の国、ビットコインを法定通貨とする法案が2022年の国会で審議される予定であるから。

3.島国は現金輸送コストが高いため、デジタル化に大きなニーズがあるから。

4.近くに銀行支店がないなどの理由で口座の開設率が低く、現金での保管は犯罪につながるため、デジタル通貨による金融包摂が必要とされているから。

5.民間の互換性のないQRコード決済が乱立し始めたので、国家として統一して行きたいから。

6.デジタル人民元やディエム(Diem)などが入って来ないうちに自国通貨を便利にして対抗したいから。

参考:ソラミツ
images:metamorworks・Ninja-Studio
デザイン:一本寿和

この記事の著者・インタビューイ

竹田匡宏

兵庫県西宮市出身、早稲田大学人間科学部卒業。
「あたらしい経済」の編集者・記者。

兵庫県西宮市出身、早稲田大学人間科学部卒業。
「あたらしい経済」の編集者・記者。

合わせて読みたい記事

【1/17話題】トランプ新政権が暗号資産を国家優先事項に、ヴィタリックがSoneiumの対応に好意的意見など(音声ニュース)

ブロックチェーン・仮想通貨(暗号資産)・フィンテックについてのニュース解説を「あたらしい経済」編集部が、平日毎日ポッドキャストでお届けします。Apple Podcast、Spotify、Voicyなどで配信中。ぜひとも各サービスでチャンネルをフォロー(購読登録)して、日々の情報収集にお役立てください。

Sponsored

Napier Labs、利回りトークン化プロトコル「Napier Finance v2」の追加情報を公開

大手DeFi(分散型金融)プロトコル「カーブファイナンス(Curve Finace)」の創業者らが出資するなどで注目を集めるDeFiプロジェクト「ネイピアファイナンス(Napier Finance)」の主要開発元「ネイピアラボ(Napier Labs)」が、新プロトコル「ネイピアファイナンスv2(Napier Finance v2)」についてのブログを1月15日に公開した

ソラナDEX「Jupiter」の「JUP」トークンが2回目のエアドロへ、割当チェッカー公開

分散型取引所(DEX)「ジュピター(Jupiter)」の独自トークン「JUP」が、2回目のエアドロップ(無償配布)で合計7億JUP(約900億円)配布される。またエアドロップ割り当て数を確認できるチェッカー機能が公開された。「ジュピター」の公式Xアカウントで1月16日発表されている

マレーシア、暗号資産・ブロックチェーンの法律導入を検討

マレーシアのアンワル・イブラヒム(Anwar bin Ibrahim)首相が、アブダビ政府および大手暗号資産(仮想通貨)取引所バイナンス(Binance)と会談し、マレーシアにおいて暗号資産やブロックチェーン技術に関する法律の導入を検討していると現地メディア「ニュー・ストレーツ・タイムズ (New Straits Times)」が1月14日報じた