VisaやAmexら、暗号資産不正利用やマネロン対策ツール提供「TRM」に出資

VisaやAmexら、「TRM」に出資

暗号資産不正利用やマネロン対策ツール提供のTRMが、シリーズBラウンドで約63億円(6000万ドル)を調達したことが12月7日に分かった。

このラウンドはTiger Globalがリード。そして新たにAmerican ExpressのAmex Ventures、Visa、Citi Ventures,、DRW Venture Capital、Jump Capital、Marshall Wace、Block (元Square) 、PayPal Venturesなども参加した。

TRMは数十億人がより安全な金融システムを構築するというミッション掲げ、クロスチェーンデータと分析ツールなどを組み合わせて暗号資産関連の不正や金融犯罪を事前に検知できるようにするためのブロックチェーン・インテリジェンスプラットフォームを開発し、運用している。

発表によれば、顧客にはCircle、FTX US、MoonPayなどが存在しているようだ。また政府機関もTRMのツールを活用し、不正、ハッキング、テロリストの資金調達などの高度な暗号関連犯罪を調査しているとのことだ。

また2019年にY Combinatorに参加してサービスをローンチして以来、TRMは収益を前年比600%増加させ、チームを4人から60人に拡大しているとのことだ。

TRMの共同設立者兼CEOのエステバン・カスタニョ(Esteban Castano)氏は発表にて次のように述べている。

「暗号資産業界は、私たちが生きてきた時代のどの分野よりも速く進んでいます。企業は、ランサムウェア攻撃からDeFi攻撃まで、進化するリスクの先を行くことができるブロックチェーン・インテリジェンス・パートナーを必要としています。今回のラウンドにより、TRMは市場で最も信頼性の高いデータと最も革新的な技術ソリューションを顧客に提供し続けることができます」

Tiger Globalのパートナーであるジョン・カーティウス( John Curtius)氏は次のようにコメントしている。

「TRMは、ブロックチェーン・インテリジェンス・ソリューションの第一人者として、業界をリードする立場にあります。顧客は、既存のリスク管理フレームワークを劇的に改善するものとして、TRMの幅広い資産とリスクエンジンの構成可能性を強調しています」

2021年は暗号資産関連のリスクマネジメントツールを開発する企業の資金調達が多い。チェイナリシス(Chainalysis)は6月に約120億円を調達し企業評価額が約4,400億円となった。エリプティック(Elliptic)は10月にソフトバンクやSBIらから約70億円を調達している。

参考:TRM
デザイン:一本寿和
images:iStocks/metamorworks・BadBrother

この記事の著者・インタビューイ

竹田匡宏

兵庫県西宮市出身、早稲田大学人間科学部卒業。
「あたらしい経済」の編集者・記者。

兵庫県西宮市出身、早稲田大学人間科学部卒業。
「あたらしい経済」の編集者・記者。

合わせて読みたい記事

【4/19話題】アプトスラボが金融機関向けプラットフォーム「Aptos Ascend」構築へ、バイナンスが違約金支払いインド再参入かなど

アプトスラボ、マイクロソフト・SKテレコム・ボスコンらと提携。金融機関向けプラットフォーム「Aptos Ascend」構築へ、バイナンス、約3億円の違約金を支払いインド再参入か=報道、バイナンスがドバイでVASPライセンス取得、個人投資家にもサービス提供可能に、バイナンス、トークンローンチプラットフォーム「Megadrop」公開。「BounceBit(BB)」取扱へ、イーサリアムのモバイルOS開発「ethOS」、web3スマホ「ethOS phone」発売開始、米クラーケン、独自開発のセルフカストディウォレット「Kraken Wallet」リリース、OKX、レイヤー2ブロックチェーン「X Layer」ローンチ