中国NFTを海外と区別、アリババとテンセントが「デジタルコレクション」と表記

アリババとテンセント、NFT表記を「デジタルコレクション」に変更

中国アリババのアントグループおよびテンセントが、両社の運営するNFTプラットフォームにおいて「NFT」の表記を「デジタルコレクション(数字藏品)」に変えたことが分かった。またアリババのECサイトであるタウバウ(淘宝)についてもNFTの表記はなく、「デジタルコレクション」の名称が使用されている。

今回両社がNFTの名称を変更する理由は、海外で自由に取引されているNFTと中国のNFTを区別する目的があるとのこと。現状中国国内で取り扱われているNFTは、「中華人民共和国競売法」のもと、規制の対象となる可能性があるため、二次流通機能を提供しないなどマーケットプレイスが自主的に制限を行っている。

さらに両社は名称変更の理由を、自社のサービスがコンプライアンスの面でも高い基準を満たしていることと、中国から厳しい要求があることを一般に表明するためであると説明している。

アントグループの責任者は地元メディアの界面(ジェーメン)に対し以下のようにコメントしている。

「デジタルコレクションに対する投機、デジタルコレクションの名を借りた暗号資産関連の活動などの違法・不法行為、デジタルコレクションの商品価格に対する悪質な投機などの行為に断固として抵抗します。私たちはデジタルコレクションの金融商品化に反対します」。

またテンセントも今回名前の変更について以下のように説明している。

「NFTプラットフォームにおける当社の事業は、ユーザーの実名制、コンテンツ審査のフルチェーンプロセスを採用しており、ユーザー間のデジタル商品の授受を開放せず、暗号資産関連の違法・不法行為に断固として抵抗しています」

「今回の名称変更は、当社のデジタルコレクションのビジネスロジックが、海外で自由に取引されているNFTのビジネスの内部ロジックやアウトリーチとは全く異なるものであることに加え、当社のビジネスがコンプライアンスの面でも高い基準と厳しい要求に満することを社会に表明するためでもあります」

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【解説】中国NFT市場の今。そしてビットコインのように規制されるか?

参考:界面
デザイン:一本寿和
images:iStocks/NatanaelGinting・LuckyStep48

この記事の著者・インタビューイ

呉心怡

「あたらしい経済」編集部
中国・浙江省出身の留学生。東京女子大学 人文学科に在学中。
文章を書くことが好き。中国語、英語、日本語の3か国語を話す。あたらしい経済では持ち前の語学力を活かし、ニュース記事を執筆。ブロックチェーンや経済分野については勉強中。

「あたらしい経済」編集部
中国・浙江省出身の留学生。東京女子大学 人文学科に在学中。
文章を書くことが好き。中国語、英語、日本語の3か国語を話す。あたらしい経済では持ち前の語学力を活かし、ニュース記事を執筆。ブロックチェーンや経済分野については勉強中。

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