暗号資産企業ブローカーの定義が議論に、米5,500億ドル規模のインフラ法案の税務報告項目にて

暗号資産企業ブローカーの定義が議論に、米5,500億ドル規模のインフラ法案の税務報告項目にて

5,500億ドル規模の米国インフラ法案に含まれる暗号資産関連の税務報告項目に関して、米国議会および暗号資産業界関係者らが議論を行なっているとDecryptが8月2日に報じた。

議論の対象となっているのは暗号資産取引における企業ブローカーの定義とのこと。インフラ法案におけるその定義は「(対価を得て)デジタル資産の移転を効果的に行う責任を負い、定期的にサービスを提供する者」となっている。

この定義に対して、業界関係者らは「(定義の規定する)範囲が広すぎて、暗号資産の採掘者、ブロックチェーンネットワークの維持に貢献する取引検証者、さらには清算者やガバナンストークン保有者などの分散型金融(DeFi)ユーザーにまで影響を及ぼす可能性がある」と懸念しているようだ。

法案にて規定された定義の範囲が広ければ、税務申告対象も広がる可能性があり、大きな議論が起こっている。また暗号資産投資家などに対する監視が強化されることにもなりうる。

そして激しい反発により、8月1日に法案の最終草案で定義が微調整され、ブローカーの定義は「(対価を得て)他人の代わりにデジタル資産の移転を効果的に行うサービスを定期的に提供する責任を負う者」となった。

ただこの微調整に対して、コインセンター(CoinCenter)CEOのジェリー・ブリト(Jerry Brito)氏は「最終的な法案には、私たちが望んでいた文言は含まれていませんでした。はじめの定義よりは良くなりましたが、マイナーや同様の立場にある者を明確に排除するにはまだ不十分です」とツイートで反対意見を述べている。

またCompound FinanceのGeneral Counselであり、Blockchain AssociationのDeFiチェアであるジェイク・チャービンスキー(Jake Chervinsky)氏も最終草案に対して、「私たちは前進しましたが、この定義はまだ受け入れられません。次は上院で修正案を提案します。それができなければ、下院に戦いを挑みます」とツイートしている。

参考:Decrypt
デザイン:一本寿和
images:iStocks/YayaErnst・hatchetman

この記事の著者・インタビューイ

竹田匡宏

兵庫県西宮市出身、早稲田大学人間科学部卒業。
「あたらしい経済」の編集者・記者。

兵庫県西宮市出身、早稲田大学人間科学部卒業。
「あたらしい経済」の編集者・記者。

合わせて読みたい記事

【11/18話題】JPYCとDPが地方金融機関の業務連携を共同検討、IG証券が暗号資産ETFのCFD取引提供終了、ストラテジーがBTC追加購入など(音声ニュース)

ブロックチェーン・仮想通貨(暗号資産)・フィンテックについてのニュース解説を「あたらしい経済」編集部が、平日毎日ポッドキャストでお届けします。Apple Podcast、Spotify、Voicyなどで配信中。ぜひとも各サービスでチャンネルをフォロー(購読登録)して、日々の情報収集にお役立てください。

Sponsored

コインマーケットキャップ、時価総額上位20銘柄連動のDeFiインデックストークン提供開始、BNBチェーン上で

暗号資産(仮想通貨)データプラットフォーム提供のコインマーケットキャップ(CoinMarketCap)が、時価総額上位20の暗号資産に連動するDeFi(分散型金融)対応インデックストークンを、BNBチェーン(BNB Chain)上で提供開始したことを11月17日に発表した

コンセンシス傘下Infura、分散型RPCネットワーク「DIN AVS」をアイゲンレイヤー上でローンチ

Web3ウォレット「メタマスク(MetaMask)」の開発企業コンセンシス(Consensys)傘下でインフラサービス「インフラ(Infura)」を開発するチームが、同社の分散型RPCネットワーク「ディンAVS(DIN AVS)」をアイゲンレイヤー(EigenLayer)上でメインネットで稼働すると11月17日に発表した

JPYCとデジタルプラットフォーマー、地方金融機関の業務連携に向け共同検討を開始

JPYC社とデジタルプラットフォーマー(DP)が、円建てステーブルコイン(電子決済手段)「JPYC」と北國銀行の預金型トークン「トチカ」との相互連携、および地方金融機関とJPYCとの発行、償還、決済、国際送金にかかる業務連携に向けた共同検討を開始したと11月18日に発表した