知的財産をNFT化、IBMとIPweが計画発表

知的財産をNFT化、IBMとIPweが計画発表

 IBMと知的財産マーケットプレイス運営IPwe(アイ・ピー・ウィー)が知的財産をNFTとして表現し、その記録をブロックチェーンネットワーク上に保存するためのインフラを構築する計画の開始を発表した。これらのNFTは、IBM Cloud上でホストされ、IBM Blockchainを搭載したIPwe Platform上で保存・共有される予定だ。

知的財産権のNFT化のメリットについて「知的財産のトークン化は、特許の販売、取引、商品化、その他の収益化をより容易にし、投資家やイノベーターにとって、このアセットクラスに新たな流動性をもたらすことになります」と説明されている。

さらにリリースでは「知的財産をトークン化することで、透明性が高まり、関連する取引がよりシンプルでコスト効率の高いものになります。知的財産をこのように表現することで、ライセンス、販売、商業化が可能になります。また企業は知的財産をバランスシート上の資産としてより簡単に主張することができるようになります。これまでNFTはデジタルアートやスポーツの記念品、さらには象徴的なツイートを表現するために使用されてきましたが、知的財産ベースのNFTが早期に導入されることで、発明家や企業による知的財産の扱い方に変革がもたらされる可能性があります」と説明されている。

IPweのCEOであるエーリッヒ・シュパンゲンベルグ(Erich Spangenberg)氏は「IPweプラットフォームは、透明性を高め、イノベーションを促進することで、特許資産クラスを変革することを目的としています。特許を表現するためにNFTを使用することで、知的財産との全く新しい関わり方を生み出すことができます。これは大きな知的財産を持つ大企業だけでなく、中小企業や個人の知的財産所有者にも新たな機会をもたらすことが期待されます。また、金融機関や企業が新たな特許アセットクラスの進化を促進するために、新たなサービスを提供することになると考えています」と述べている。

IBMサービスのグローバル・ストラテジック・パートナーシップ担当ゼネラル・マネージャーのジェイソン・ケリー(Jason Kelley)氏は「IBMは、知的財産とAIやブロックチェーンのビジネスへの応用において、長年にわたりリーダーシップを発揮してきました。IPweとの取り組みは、業界全体を変革する可能性を秘めたブロックチェーン機能とデジタル資産を活用した成果を推進するための、先進的なイノベーターとのコラボレーションのもう一つの例です。ビジネスがインテリジェントなワークフローで仕事のやり方を変えようとする傾向が強まる中、ブロックチェーン技術は透明性を高め、障壁を減らすための重要なツールです」とコメントしている。

今後IPweが運営しているIPwe Platformは、特許所有者やその他の特許エコシステムのメンバーが、特許のエンゲージメントや取引、購入、ライセンス、ファイナンス、販売、研究、商業化を可能にするGlobal Patent Marketplaceを実現することを目指していく。

関連記事:特集「NFT大解剖」

特集「NFT大解剖」

参考:IBM

(images:iStock/metamorworks)

関連するキーワード

この記事の著者・インタビューイ

あたらしい経済 編集部

「あたらしい経済」 はブロックチェーン、暗号通貨などweb3特化した、幻冬舎が運営する2018年創刊のメディアです。出版社だからこその取材力と編集クオリティで、ニュースやインタビュー・コラムなどのテキスト記事に加え、ポッドキャストやYouTube、イベント、書籍出版など様々な情報発信をしています。また企業向けにWeb3に関するコンサルティングや、社内研修、コンテンツ制作サポートなども提供。さらに企業向けコミュニティ「Web3 Business Hub」の運営(Kudasaiと共同運営)しています。

これから「あたらしい経済」時代を迎える すべての個人 に、新時代をサバイバルするための武器を提供する、全くあたらしいWEBメディア・プロジェクトです。

「あたらしい経済」 はブロックチェーン、暗号通貨などweb3特化した、幻冬舎が運営する2018年創刊のメディアです。出版社だからこその取材力と編集クオリティで、ニュースやインタビュー・コラムなどのテキスト記事に加え、ポッドキャストやYouTube、イベント、書籍出版など様々な情報発信をしています。また企業向けにWeb3に関するコンサルティングや、社内研修、コンテンツ制作サポートなども提供。さらに企業向けコミュニティ「Web3 Business Hub」の運営(Kudasaiと共同運営)しています。

これから「あたらしい経済」時代を迎える すべての個人 に、新時代をサバイバルするための武器を提供する、全くあたらしいWEBメディア・プロジェクトです。

合わせて読みたい記事

【10/11話題】メタプラネットが今月3度目のビットコイン購入、ユニスワップがイーサL2「Unichain」ローンチへなど(音声ニュース)

メタプラネットが今月3度目のビットコイン購入、10億円相当追加で合計保有数748.502BTCに、ユニスワップがイーサL2「Unichain」ローンチへ、OPスタック採用、米SEC、カンバーランドDRWを無登録で暗号資産取引を行ったとして提訴、ユービーアイソフト、初のweb3ゲーム今月リリースへ。オアシス(OAS)のL2採用で、タイ、投資信託やプライベートファンドによる暗号資産関連商品への投資規制緩和へ、米決済ストライプが「Pay with Crypto」提供開始、、USDCとUSDPで支払い可能に、バビロン、ステーキング上限撤廃で約14億ドル相当のビットコイン集める

米決済ストライプが「Pay with Crypto」提供開始、USDCとUSDPで支払い可能に

決済インフラ提供の米ストライプ(Stripe)が、米ドルステーブルコイン「USDC」を決済通貨として利用できる暗号資産(仮想通貨)決済機能「ペイウィズクリプト(Pay with Crypto)」を提供開始した。「USDC」を発行する米サークル(Circle Internet Financial)の共同創業者兼CEOジェレミー・アレール(Jeremy Allaire)氏が公式Xにて10月10日発表した