トロン創設者ジャスティン・サン、WLFI側に金銭的制裁求める。UAE関連の開示遅れ巡り

所有構造の開示遅れ巡り約4,186万円の費用負担を要求

ブロックチェーン「トロン(TRON)」の創設者ジャスティン・サン(Justin Sun)氏が、ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領の一族が関与する暗号資産(仮想通貨)事業ワールド・リバティ・ファイナンシャル(World Liberty Financial:WLFI)とその弁護士に対する金銭的制裁を、米カリフォルニア州北部地区連邦地裁に申し立てた。同氏が11月3日に自身のXで報告した。

申立書は、サン氏と関連2社が11月2日付で提出した。サン氏側は、WLFIがアラブ首長国連邦(UAE)に関わる所有構造を訴訟開始から数カ月後まで十分に開示しなかったことで、不要な訴訟費用が生じたと主張している。

具体的に同氏は、WLFIが求めた仲裁への移行に反対するために支出した弁護士費用など、計26万3,821.20ドル(約4,186万円)の負担を求めている。今回の申立ては、訴訟手続き上の開示の不備を巡るものだ。

両者の対立の発端は、サン氏側が保有するWLFIトークンの凍結にある。同氏によると、同氏はWLFIトークンに計4,500万ドル(約71.4億円)を投資した。その後、投資を不正に勧誘され、トークンを違法に凍結されたとして、今年4月にWLFIを提訴したという。

WLFIが6月2日に提出した当初の開示書類では、親会社として「WLF Holdco LLC」を記載していた。一方、連邦裁判所の管轄判断に用いる「国籍・州籍(citizenship)」の欄には、WLFIについてフロリダ州のみを記載していた。

しかし、8月26日の追加開示では、WLFI自身のほか、所有構造に関わる22の個人・法人を列挙した。WLFIの国籍・州籍としてフロリダ州に加え、デラウェア州、プエルトリコ、UAEを記載した。所有構造の一覧には、UAEの2法人も含まれている。

今回の訴訟は、当事者の国籍・州籍の違いを根拠に連邦裁判所へ提起された。WLFIのような有限責任会社(LLC)では、各出資者の国籍・州籍が会社側にも帰属するため、所有構造の開示が管轄の判断に影響する。サン氏によると、WLFIは追加開示後、原告と被告の双方に外国の当事者が含まれるため、連邦裁判所には今回の訴訟を扱う管轄がないと主張しているという。

サン氏側は、開示が修正された時期も問題視している。申立書によると、8月20日の審理では、裁判官が一部の請求を仲裁へ移すことに疑問を示し、当事者双方に仲裁と裁判で扱う請求の整理を指示した。追加開示が行われたのは、その6日後だった。

またサン氏は、WLFI側の弁護士がUAEとの関係を知ったのは当初の開示後だったと説明しているとした上で、事前調査の不足、または会社側の情報提供に問題があったと主張した。

サン氏は、制裁申立てについて連邦裁判所の判断が出た後、カリフォルニア州裁判所に訴訟を提起し直す意向も示している。申立書上の審理予定日は12月10日となっている。

なお、WLFIは5月4日、サン氏を名誉毀損でフロリダ州裁判所に提訴したと発表している。その声明では、トークンを凍結する権限は契約などで開示されていたと主張している。

参考:制裁申立書・理由書(文書70、11月2日提出)
画像:PIXTA

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この記事の著者・インタビューイ

大津賀新也

「あたらしい経済」編集部
副編集長
ブロックチェーンに興味を持ったことから、業界未経験ながらも全くの異業種から幻冬舎へ2019年より転職。あたらしい経済編集部では記事執筆の他、音声収録・写真撮影も担当。

「あたらしい経済」編集部
副編集長
ブロックチェーンに興味を持ったことから、業界未経験ながらも全くの異業種から幻冬舎へ2019年より転職。あたらしい経済編集部では記事執筆の他、音声収録・写真撮影も担当。

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