ジャスティン・サン、SEC訴訟で和解へ。約1,000万ドル支払い

TRON巡る民事訴訟で

暗号資産(仮想通貨)起業家ジャスティン・サン(Justin Sun)が、米証券取引委員会(SEC)との民事訴訟について和解に至ったと「ロイター(Reuters)」が3月5日に報じた。和解金は約1,000万ドル(約15.7億円)とされ、裁判所の承認を経てサン氏の企業のうちの1社が支払う予定だという。

SECは2023年3月、サン氏および同氏が関係するトロン財団(Tron Foundation)、ビットトレント財団(BitTorrent Foundation)、レインベリー(Rainberry)を提訴。暗号資産トロン(TRX)およびビットトレント(BTT)の違法な販売、取引量の人為的な水増し、著名人による宣伝報酬の隠蔽などを行ったと主張していた。

SECによるとサン氏は、自身が管理する2つの口座間で数十万回のTRX取引を従業員に行わせるよう指示し、正当な市場取引が行われているかのような誤解を招く取引量を作り出したとされる。これにより約3,100万ドル(当時の価格で約46億円)の収益を得たとSECは主張していた。

また同氏は、女優リンジー・ローハン(Lindsay Lohan)、歌手エイコン(Akon)、Ne-Yo、SNSインフルエンサーのジェイク・ポール(Jake Paul)などの著名人を起用し、TRXやBTTをSNSで宣伝させた一方で、報酬支払いを開示していなかったとも指摘されていた。

今回の和解についてSECは裁判所への書簡で、サン氏および関連企業は不正行為を認めることも否認することもしていないと説明している。

一方サン氏はXで、SECが自身および関連企業への請求を取り下げる方向で動いていると明らかにした。

サン氏は3月6日の投稿で「SECが私、トロン財団、そしてビットトレント財団に対するすべての請求を取り下げる方向で進んでいることを確認できて非常にうれしい」とコメント。また「今回の解決で一区切りとなるが、私はこれまで通り開発を続けてきた。今後も米国および世界でイノベーションの加速に取り組み、暗号資産のガイダンスや規制の策定においてSECと協力していくことを楽しみにしている」と述べた。

この訴訟は、ジョー・バイデン(Joe Biden)前政権下で米証券取引委員会(SEC)委員長を務めたゲーリー・ゲンスラー(Gary Gensler)の在任中に提起されたもの。ゲンスラー前SEC委員長は暗号資産規制を強化する姿勢を示し、業界から強い反発を受けていた。

その後、ドナルド・トランプ(Donald Trump)大統領の政権復帰後となる2025年2月、SECは和解の可能性を模索するため訴訟を一時停止していた。

なおサン氏は、トランプ氏が一部を保有するとされる暗号資産プロジェクトワールド・リバティ・ファイナンシャル(World Liberty Financial)」のトークンの主要購入者の一人としても知られている。

またサン氏は、同プロジェクトのアドバイザーも務めている。

参考:報道
画像:Reuters

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この記事の著者・インタビューイ

髙橋知里

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者

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