ブラジルのメルカド・ビットコインでセキュリティ侵害、約17.7億円相当の資産凍結

顧客の損失やデータ漏洩はなしと説明、入出金などを一時停止

ブラジルの暗号資産取引所メルカド・ビットコイン(Mercado Bitcoin)が、同社のシステムの一つでセキュリティインシデントが発生したと11月2日に発表した。同社は、11月3日までに約1,100万ドル(約17.7億円)を凍結したと報告した。また、顧客に損失やデータ漏洩は発生していないと説明しており、予防措置として入出金などのサービスを一時的に停止している。

メルカド・ビットコインは11月2日未明にインシデントを確認し、速やかに封じ込めたと説明している。ただし、影響を受けたシステムの詳細やインシデントの原因は明らかにしていない。なお、同社はインシデントに関係する資産について約3,800万ドル(約60億円)という金額も示しているが、凍結済みの資産を含む総額なのか、未凍結分を指すのかは確認できていない。

同社は11月3日の続報で、テザー(Tether)、サークル(Circle)、パクソス(Paxos)、BRL1、チェイナリシス(Chainalysis)などとの連携を明らかにした。さらに、凍結可能な資産を新たに特定しており、資産の追跡と被害拡大の防止に向けた対応を続けているとのこと。一部のステーブルコインには、発行者が特定のアドレスにあるトークンの移転を制限できる機能がある。ただし、今回の凍結方法の詳細は公表されておらず、資産の回収や返還が完了したことを意味するものではない。

また、メルカド・ビットコインは資産の追跡に役立てるため、インシデントに関係する資産移転で確認された送金先アドレスを公開した。対象はイーサリアム(Ethereum)と互換性のあるネットワーク、ビットコイン(Bitcoin)、ソラナ(Solana)、ステラ(Stellar)、トロン(Tron)の5種類。パブリックブロックチェーンでは取引履歴が公開されているため、送金先アドレスを手掛かりに資産の移動を追跡できる。

ブロックチェーン分析プラットフォームのアーカム(Arkham Intelligence)は、今回のインシデントに関係すると分析した64のアドレスを「Mercado Bitcoin Hacker」という名称でまとめている。11月3日に確認したアーカムの画面では、これらのアドレス群に帰属すると同社が分析した保有資産の評価額が約4,500万ドル(約71億円)となっていた。一方、この金額はメルカド・ビットコインが公表した関連資産額とは集計対象や評価時点が異なる可能性があり、確定した被害額を示すものではない。

メルカド・ビットコインは関係当局と連携して調査を進めており、停止中のサービスについては安全性を確認したうえで再開する方針だ。ただし、具体的な再開時期は明らかにしておらず、今後の情報は同社の公式チャネルを通じて発表するとのことだ。

参考:アーカム
画像:PIXTA

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この記事の著者・インタビューイ

渡邉洋輔

「あたらしい経済」編集部 記者
ブロックチェーンおよびデジタル資産分野を専門とし情報発信を行っている。オンチェーンデータや流動性構造など、市場設計の観点からのリサーチにも取り組んでいる。

「あたらしい経済」編集部 記者
ブロックチェーンおよびデジタル資産分野を専門とし情報発信を行っている。オンチェーンデータや流動性構造など、市場設計の観点からのリサーチにも取り組んでいる。

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