オーブス、機関投資家向け取引執行インフラ「Orbs Institutional」提供開始

DEX向け執行インフラを機関投資家へ直接提供

高度なオンチェーン取引向けのレイヤー3ブロックチェーンインフラ「オーブス(Orbs)」が、機関投資家向けサービス「オーブス・インスティテューショナル(Orbs Institutional)」を6月14日に発表した。

オーブスは、DEX(分散型取引所)やオンチェーン取引アプリ向けに、流動性集約や指値注文、時間分散注文などの高度な取引執行機能を提供するプロジェクトだ。これまでオーブスの技術は、パンケーキスワップ(PancakeSwap)やスシスワップ(SushiSwap)などのDEXに導入され、取引インフラとして利用されてきた。

今回発表されたオーブス・インスティテューショナルは、こうした既存の執行インフラを、トレーディングデスクやOTC事業者、企業トレジャリー、カストディアン、金融プラットフォームなどが直接利用できるようにするサービスとなる。

近年は機関投資家によるDeFi(分散型金融)の活用が広がる一方で、大口注文による価格への影響やMEV(最大抽出可能価値)、フロントランニングといった課題も指摘されている。また、複数のDEXやマーケットメーカーに分散する流動性を効率的に活用することも容易ではない。

オーブスは今回、こうした課題への対応を目的として、これまでDEXなどを通じて提供してきた取引執行技術を、プロ向け市場参加者へ直接提供する。

オーブスによると、今回提供されるインフラは、2023年以降に25億ドル(約4,000億円)超の現物取引量を処理してきた技術を基盤としているという。また、これまでに30以上のDEX統合と10以上のブロックチェーンネットワークへの対応を行ってきたとのことだ。

同サービスの中核となるのは、オーブスが提供する流動性集約プロトコル「リクイディティ・ハブ(Liquidity Hub)」だ。同プロトコルは、複数のDEXやプロフェッショナルなマーケットメーカーから流動性を集約し、執行品質の向上を図るという。また、プライベートRFQ(見積依頼)レイヤーを通じて、MEVやフロントランニングへの露出を低減するよう設計されているとのことだ。

さらに利用者は、大口注文を時間分散して執行する「dTWAP」、指値注文機能「dLIMIT」、損切りや利益確定に対応する「dSLTP」などオーブスがこれまで提供してきた執行ツールも利用できるという。

また同社によると、取引執行中も資産は顧客の管理下に残るとのことだ。注文については、EIP-712規格に対応した既存のカストディ、トレジャリー、MPC(マルチパーティ計算)インフラを利用して署名できるとしている。

オーブス・インスティテューショナルは、利用者がAPIを通じて直接利用できる。そのほか、ウォレット、カストディアン、取引所、MPCプロバイダー、プライムブローカーなどがホワイトラベルや共同ブランド形式で自社サービスへ組み込むことも可能とのこと。

なおオーブスは、デジタル資産市場への機関投資家の参加拡大に伴い、透明性が高く、セルフカストディ型の取引執行インフラへの需要が高まると見込んでいる。同社は、DeFi普及の次の段階は、オンチェーン流動性や取引執行ツールへの直接アクセスを求めるプロフェッショナルな市場参加者によって牽引されるとの見方を示している。

参考:プレスリリース
画像:PIXTA

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この記事の著者・インタビューイ

渡邉洋輔

「あたらしい経済」編集部 記者
ブロックチェーンおよびデジタル資産分野を専門とし情報発信を行っている。オンチェーンデータや流動性構造など、市場設計の観点からのリサーチにも取り組んでいる。

「あたらしい経済」編集部 記者
ブロックチェーンおよびデジタル資産分野を専門とし情報発信を行っている。オンチェーンデータや流動性構造など、市場設計の観点からのリサーチにも取り組んでいる。

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