テレグラムがブロックチェーンプラットフォームTONの開発中止を発表

テレグラムがブロックチェーンプラットフォームTONの開発中止を発表

メッセージサービスを運営するテラグラム(Telegram)がブロックチェーンプラットフォーム「TON(Telegram Open Network)」とTON上で発行される暗号資産「Gram」の開発中止および計画の終了を5月12日に発表した。

同社CEOのパベル・デュロフ(Pavel Durov)氏は自身のTelegramにて「4億人以上の利用者を持つメッセージサービスによるTONの開発をアメリカの裁判所が断念させた」と述べ、計画終了の原因は米SEC(証券取引委員会)との長期にわたる裁判にあることを説明した。

同氏は裁判所に対して、「多くの人が出資して金脈(TON)を作り、のちにそこで採れた金(Gram)を皆で分配する」と主張したが、裁判所はこの主張に対して「多くの人が出資したのはその金を売って儲けを得るためであり、金自体が欲しかったわけではない」と述べ、出資者への分配の許可を下さなかったとのこと。

この判決により、出資者(米国内外問わず)へのGramの分配が禁止され、Gramはビットコインのように売買できるものではなくなってしまったため、やむを得ず計画終了を決定したとのこと。

なお同社は出資者に対して合計12億ドルの返還を行うことを4月30日に申し出ている。

編集部のコメント

TONはテレグラムが開発を行うブロックチェーンを利用した決済プラットフォームです。2017年に最初の計画が発表され、2018年にはICOで17億ドルという巨額の売り上げを達成しました。TONはメッセージサービスのテレグラムと同様にプライバシーを重視した設計となっており注目を集めていましたが、TON内で発行される暗号資産Gramの有価証券性が疑われ、2019年10月にSECによって提訴されていました。その影響でメインネットのローンチの延期が発表され、今回の計画終了の発表に至りました。

コメント:小俣淳平(あたらしい経済)

(images:antoniokhr)

関連するキーワード

この記事の著者・インタビューイ

あたらしい経済 編集部

ブロックチェーン、仮想通貨(暗号通貨)、トークンエコノミー、評価経済、シェアリングエコノミーなどの「あたらしい経済」をテーマにしたWEBメディアです。「あたらしい経済」モデルやそこでの稼ぎ方、そこで未来を切り開く人々のエピソード、あたらしい時代における働き方や学ぶべきことなどを、紹介します。これから「あたらしい経済」時代を迎える すべての個人 に、新時代をサバイバルするための武器を提供する、全くあたらしいWEBメディア・プロジェクトです。

ブロックチェーン、仮想通貨(暗号通貨)、トークンエコノミー、評価経済、シェアリングエコノミーなどの「あたらしい経済」をテーマにしたWEBメディアです。「あたらしい経済」モデルやそこでの稼ぎ方、そこで未来を切り開く人々のエピソード、あたらしい時代における働き方や学ぶべきことなどを、紹介します。これから「あたらしい経済」時代を迎える すべての個人 に、新時代をサバイバルするための武器を提供する、全くあたらしいWEBメディア・プロジェクトです。

合わせて読みたい記事

【5/2話題】ビットコインが下落、米検察がブロック捜査、レイヤーゼロがスナショなど

ビットコインが6%近く下落、FOMC控え 最高値から22%安、米連邦検察、米決済ブロックの社内業務を調査=報道、レイヤーゼロがスナップショット実施、エアドロ間近か、テザー社、Q1が過去最高益45億ドル超に、純資産額も初公表、米セキュリタイズがブラックロックらから4700万ドル調達。サークル、アプトスラボ、パクソスも参加、HashKey DX・リップル・SBI Ripple Asiaが提携、法人向けの「XRP Ledger」の日本市場導入で、「スイ(SUI)」のミステンラボ、グーグルクラウドと提携、親クリプト派マクヘンリー米下院議員、SECのイーサリアム調査を非難、ストライプで「AVAX」の購入が可能に、アバランチとコアウォレットに統合で、ユニスワップウォレットに「Robinhood Connect」統合、ロビンフッド内の資金で暗号資産購入可能に、イーサリアムL2「Scroll」がアップグレード実施、EIP-4844に対応、クリプトヴィレッジのLocal DAO、旧山古志に続き「長野県天龍峡」と「宮崎県椎葉村」を選定。「Nishikigoi NFT」保有者の投票で決定へ

ユニスワップウォレットに「Robinhood Connect」統合、ロビンフッド内の資金で暗号資産購入可能に

「ユニスワップ(Uniswap)」のモバイルアプリ「ユニスワップウォレット(Uniswap Wallet)」にオンランプ機能「ロビンフッドコネクト(Robinhood Connect)」が統合され、同アプリではロビンフッド内の資金で暗号資産(仮想通貨)の購入が可能となった。このことはユニスワップが4月29日発表した