BitwiseのETF上場承認が一時停止
米証券取引委員会(SEC)の事務局が、「ビットワイズ・10クリプトインデックス・ETF(Bitwise 10 Crypto Index ETF)」の上場承認の効力を一時的に停止した。この措置は、7月22日付の書簡により明らかとなった。
「Bitwise 10 Crypto Index ETF」は、米暗号資産(仮想通貨)運用会社ビットワイズ(Bitwise)が運用する暗号資産関連ファンド「ビットワイズ・10クリプトインデックス・ファンド(Bitwise 10 Crypto Index Fund:BITW)」を基にしたETF(上場投資信託)である。
ビットワイズは2024年11月27日、「BITW」のETF化および、ETFとして米シカゴの証券取引所NYSEアーカ(NYSE Arca)へ上場を目指す規則変更申請をSECに提出。この申請は、今年7月22日にSECの取引・市場部門により迅速承認(通常より短い公告期間で承認)された。
しかし、SECの事務局は同日、SECがこの承認を審査対象とすることを通知。それに伴い承認の効力は一時的に停止された。
通知書簡では、今後委員会によって講じられる関連措置について、事務局から改めて通知されることが明記されている。
通常、SECによる規則変更申請の承認は、連邦官報を通じた公告と21日間のコメント受付期間を経たのち、最長240日間の審査猶予期間が設けられている。しかし本件では、コメント受付期間終了後に、SECがその猶予期間を最大限に利用することなく承認を行ったため、「迅速承認」として通達された。
なお、暗号資産メディア「ザ・ブロック(The Block)」の取材によると、ビットワイズの広報担当者は本件について「その後の停止措置は新たな展開であり、現在積極的に評価している」とコメントしたという。
ビットワイズのサイトによると、「BITW」は7月23日時点においてビットコイン(BTC)に74.6%、イーサリアム(ETH)に13.7%、エックスアールピー(XRP)に6.0%、ソラナ(SOL)に3.2%、カルダノ(ADA)に0.9%、スイ(SUI)に0.4%、チェーンリンク(LINK)に0.4%、アバランチ(AVAX)に0.3%、ライトコイン(LTC)に0.3%、ポルカドット(DOT)に0.2%を投資している。
ちなみにSECの事務局は7月1日付の書簡にて、「グレースケール・デジタル・ラージキャップ・ファンド(Grayscale Digital Large Cap Fund:GDLC)」のETFとしての上場承認の効力を、一時的に停止したことを通達した。
「GDLC」は、米暗号資産運用会社グレースケール(Grayscale)が運用する暗号資産関連ファンド。同ファンドは7月23日時点において、ビットコイン(BTC)に75.96%、イーサリアム(ETH)に13.99%、エックスアールピー(XRP)に5.99%、ソラナ(SOL)に3.11%、カルダノ(ADA)に0.95%を投資している。
参考:SEC事務局
画像:Reuters