イーサリアム財団、相互運用性改善のフレームワーク「Open Intent Framework」立ち上げ

イーサリアム財団が「Open Intent Framework」の立ち上げ発表

イーサリアム財団(Ethereum Foundation)が、クロスチェーンでのインテント(Intents)伝達のための新しいオープンソースのフレームワークである「オープンインテントフレームワーク(Open Intent Framework)」を2月20日に発表した。

インテントとは、ユーザーの意図に基づいて効率的にアセットを移動させる仕組みのこと。ユーザーが実行したい取引の「意図」のみを設定することで、その「意図」を満たす効率的な取引をユーザーが取引の方法を詳細に指定することなく、自動的に高い効率の経路での取引実行を可能にしている。

「オープンインテントフレームワーク」は、ブロックチェーンをまたいで、このユーザーの「意図」であるインテントを伝達するための標準化されたモジュラー型のフレームワークだ。

公式のドキュメントによると、開発者は「オープンインテントフレームワーク」を使用することで、構築が複雑なインテントのためのインフラを用意することなく、インテントを使用したアプリケーションが構築可能になるとのことだ。

なお、同フレームワークはすでにイーサリアムエコシステム上の「アービトラム(Arbitrum)」や「オプティミズム(Optimism)」、「オープンツェッペリン(Open Zeppelin)」などをはじめとした30以上のチームによる構築サポートが決まっている。

現在、すでにフレームワーク自体の稼働は開始しており、今後追加機能がリリースされていくことも明らかになってる。

イーサリアムでは、現在多くの取引がレイヤー2(L2)ネットワーク上で行われている。L2ネットワーク自体も多数存在していることから資産が分断されており、資産効率が低下する状況に置かれている。そのような中、ユーザーがネットワークやプロトコルを意識せずともクロスチェーンスワップなどを経由し、高い効率の取引を可能にするという理由でインテントが注目されている。 

参考:Open Intent Framework
画像:PIXTA

関連ニュース

関連するキーワード

この記事の著者・インタビューイ

田村聖次

和歌山大学システム工学部所属
格闘技やオーケストラ、茶道など幅広い趣味を持つ。
SNSでは、チェコ人という名義で、ブロックチェーンエンジニアや、マーケターとしても活動している。「あたらしい経済」の外部記者として記事の執筆も。

和歌山大学システム工学部所属
格闘技やオーケストラ、茶道など幅広い趣味を持つ。
SNSでは、チェコ人という名義で、ブロックチェーンエンジニアや、マーケターとしても活動している。「あたらしい経済」の外部記者として記事の執筆も。

合わせて読みたい記事

カルシ、米国向けにセイネイティブの「SEI」と「USDC」入出金に対応

米予測市場プラットフォームのカルシ(Kalshi)で、レイヤー1ブロックチェーン「セイ(Sei)」のネイティブトークンSEIおよび同ネットワーク上の米ドル建てステーブルコインUSDCの入出金が可能になり、同資産を用いたイベント契約取引の資金移動ができるようになった。Xより12月3日に発表されている

シタデル・セキュリティーズ、トークン化証券とDeFiに取引所・証券会社規制の適用を提言。業界側から反発の声も

米大手マーケットメイカーのシタデル・セキュリティーズ(Citadel Securities)が、トークン化された米国株式を取り扱うDeFi(分散型金融)プロトコルに対しても、取引所およびブローカー・ディーラーとしての規制を適用すべきだとする意見書を米証券取引委員会(SEC)に12月2日に提出した