GMOトラストとINXが提携、ステーブルコイン「GYEN」と「ZUSD」上場へ

ステーブルコイン「GYEN」と「ZUSD」上場へ

暗号資産取引所およびデジタル証券取引プラットフォーム運営のINXがGMOトラスト(GMO-Z.com Trust Company, Inc.) と提携したことが9月21日に分かった。

発表によれば、INXは子会社であるINX Digital(INXD)を通じて、日本円ステーブルコイン「GYEN」を上場する予定とのことだ。またINXDはGMOトラストの米ドルステーブルコイン「ZUSD」の上場も予定しているとのことだ。

INXは2020年に自社のデジタル証券「INXトークン」をIPO形式で発行し、2021年5月にはデジタル証券取引プラットフォーム「DIGITAL ASSETS LISTING & TRADING」をローンチしている。また暗号資産の売買および取引サービスも提供しており、BTC、ETH、LTC、Zcash、USDCを取り扱っている。

GMOトラストは2020年12月にニューヨーク州銀行法に基づき金融サービスの提供が可能となった。そして2021年3月にGMOトラストは、ステーブルコイン「GYEN」と「ZUSD」の発行・換金のサービスを開始した。

「GYEN」は、米銀行法規制を遵守した円ペッグ通貨(法定通貨の日本円に担保された法定通貨担保型)。また「ZUSD」は米ドルペッグ通貨(法定通貨の米ドルに担保された法定通貨担保型)だ。

「GYEN」および「ZUSD」は(1)価格の安定性(2)流動性の高さ(3)イーサリアム技術を採用の3つを特徴としているとのことだ。

価値の裏付となる資産の証明は、公認会計士による監査レポートを通じて毎月開示するほか、セキュリティと透明性はGMO Trustが直接「GYEN」および「ZUSD」の発行・換金を行うため、手数料を抑えながら向上がはかれるとのことだ。

なお発表によれば、「GYEN」と「ZUSD」は米ドルとビットコインの取引で利用可能になるとのことだ。将来的には取引ペアが追加される可能性もあるようだ。

INXの創業者兼CEOであるシャイ・ダチカ(Shy Datika)氏は、GMOトラストとの提携について次のようにコメントしている。

「INXは、金融機関向けのステーブルコインを発行しているGMOと提携できることを誇りに思います。GMOは非常に相乗効果の高い事業ポートフォリオを持っており、私たちの顧客層と一致しており、米国で規制された暗号資産プラットフォームとして、デジタル資産側でサービスを提供するのに理想的な立場にあります。

ビットコインの1日の取引額は約400億ドル、米ドル/円では約7,500億ドルに達します。私たちは、FXと暗号資産の世界のギャップをついに埋めることができ、非常に興奮しています」

GMOトラストのCEOであるケン・ナカムラ(Ken Nakamura)氏は、次のようにコメントしている。

「初の規制対象である日本円のステーブルコインGYENを含むGMOの新しいステーブルコインは、Tier1の機関投資家が革新的なデジタル資産を受け入れる準備ができているという私たちの確固たる信念を示すものです。

米国の最高レベルの規制基準に基づいて構築されたINXの業界をリードする取引所に、これらのステーブルコインを提供できることを嬉しく思います。

従来のFXブローカーは、ステーブルコインの活用による24時間365日のデジタルFXを積極的に検討しています。INXのプラットフォームは、コンプライアンス、安全性、技術面での優位性により、最大手の金融機関を魅了すると確信しています」

参考:INX
デザイン:一本寿和
images:iStocks/Dmytro-Rohovyi・Who_I_am

この記事の著者・インタビューイ

竹田匡宏

兵庫県西宮市出身、早稲田大学人間科学部卒業。
「あたらしい経済」の編集者・記者。

兵庫県西宮市出身、早稲田大学人間科学部卒業。
「あたらしい経済」の編集者・記者。

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