フィリピン中銀、ホールセールCBDCの概念実証完了を報告

パイロットプロジェクト「アギラ」のテスト完了

フィリピン中央銀行(BSP)が、ホールセール型CBDC(中央銀行デジタル通貨)パイロットプロジェクトである「アギラ(Agila)」の概念実証実験を完了したと12月5日報告した。

「アギラ」は、BSPと参加金融機関がCBDCの可能性を探り、テストするのを支援することを目的とするプロジェクト。また、同技術が同国の大口決済システムの改善に役立つかどうかを評価するものだ。

なおホールセール型のCBDCは、金融機関による大口決済にて利用される目的のもので、反対にリテール型は小売りなど一般で利用される目的のCBDCとなっている。

実証実験では、金融機関が夜間、週末、休日を含む営業時間外でも相互に資金の送金が可能かがテストされた。

また金融機関との評価では、機能、パフォーマンス、セキュリティ、探索、エンドツーエンド、プログラマビリティのテストが行われた。

BSPのイーライ・M・レモロナ・ジュニア(Eli M. Remolona, Jr.)総裁は「ホールセール型CBDCは、流動性管理の向上、決済リスクの低減、金融安定性のサポートが期待される」と評価した。

またBSPは、新しいテクノロジーを活用して、国内の決済システムの効率性と回復力をさらに強化することを目指すとしている。

なおパイロットプロジェクトに参加したのは、BDOユニバンク(BDO Unibank Inc.)、チャイナ・バンキング・コーポレーション(China Banking Corp.)、ランド・バンク・オブ・ザ・フィリピン(Land Bank of the Philippines)、リサール・コマーシャル・バンキング・コーポレーション(Rizal Commercial Banking Corporation)、ユニオン・バンク・オブ・ザ・フィリピン(Union Bank of the Philippines)、マヤ・フィリピン・インク(Union Bank of the Philippines)の6行だ。

参考:発表
画像:PIXTA

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あたらしい経済 編集部

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