米国司法省が北朝鮮のハッカー3人を起訴 暗号資産(仮想通貨)事業者を含む複数の企業から合計13億ドル以上を盗んだとして

米国司法省が北朝鮮のハッカー3人を起訴

米国司法省は、数百に及ぶ複数の企業から合計13億ドル以上の資産を盗んだとして北朝鮮のハッカー3人を起訴したことを2月17日に発表した。

米国司法省の司法長官補佐であるジョン・デマーズ(John Demers)氏は「北朝鮮の工作員は銃ではなくキーボードを使い、現金袋の代わりに暗号資産のデジタルウォレットを盗む、世界をリードする銀行強盗である」と述べている。

米国司法省によると、今回起訴された3人は北朝鮮の軍事諜報機関である朝鮮人民軍偵察総局(RGB)のメンバーであり、彼らは米国をはじめ世界中で幅広くサイバー犯罪を行い、合計で13億ドル以上の資産を盗み取ったとされている。

具体的には2014年のソニーピクチャーズエンターテイメントへのサイバー攻撃、2015年から2019年にかけて行われたベトナムやバングラデシュの銀行へのハッキング、ランサムウェア「WannaCry 2.0」の作成及びそれを利用した恐喝、悪意のある暗号資産アプリケーションの作成、暗号資産関連企業へのハッキングおよび暗号資産の窃盗など8つの事件で起訴されている。

今回の起訴内容の中で暗号資産に関連する事件は以下の3つである。
(1)悪意のある暗号資産アプリケーションの作成:2018年3月から2020年8月にかけて ユニオン・クリプト・トレーダー(Union Crypto Trader)やワールドビット・ボット(WorldBit-Bot)などといった偽の暗号資産取引所アプリやウォレットアプリを展開し、それらをインストールしたユーザーの端末をハッキングしたとされている。
(2)暗号資産関連企業へのハッキング:2017年にスロベニアの暗号資産取引所から7500万ドル(約80億円)、2018年にインドネシアの取引所から2490万ドル(約26億円)、2020年にニューヨークの金融サービス会社から1180万ドル(約12億円)を奪い取ったとされている。
(3)マリン・チェーン・トークン(Marine Chain Token)のICO:マリン・チェーン・トークンを開発して、「海上輸送船の所有権の一部を購入できる」としてトークンを宣伝しICOを行った。そしてそこで得られた資金を秘密裏に北朝鮮に移動させていたとされている。

暗号資産関連の事件だけで1億ドル(約105億円)を超える被害が出ているが、これまでに司法省によって押収された暗号資産は190万ドル分に留まっているとのことだ。

(images:iStocks/Pict-Rider・LuckyStep48)

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あたらしい経済 編集部

「あたらしい経済」 はブロックチェーン、暗号通貨などweb3特化した、幻冬舎が運営する2018年創刊のメディアです。出版社だからこその取材力と編集クオリティで、ニュースやインタビュー・コラムなどのテキスト記事に加え、ポッドキャストやYouTube、イベント、書籍出版など様々な情報発信をしています。また企業向けにWeb3に関するコンサルティングや、社内研修、コンテンツ制作サポートなども提供。さらに企業向けコミュニティ「Web3 Business Hub」の運営(Kudasaiと共同運営)しています。

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