ユタ州による予測市場の取り締まり阻止を求める
米商品先物取引委員会(CFTC)が、予測市場への州法適用を巡り、ユタ州を相手取って訴訟を起こしたと10月27日に発表した。
CFTCによると、今回の提訴は、ユタ州がCFTCの規制下にある取引所や関連企業に対し、州裁判所で民事執行訴訟を起こしたことを受けたものだ。CFTCは、州法に基づいて登録取引所の運営を制限する行為は、連邦法を州法に優先させるとした米議会の判断に反すると主張している。
CFTCのマイケル・S・セリグ(Michael S. Selig)委員長は声明で、ユタ州が幅広い分野の予測市場を閉鎖しようとしていると批判した。
また同氏は、将来の出来事の結果に応じて支払いが決まる「イベント契約(event contracts)」について、ヘッジや投資の手段となるだけでなく、将来の出来事に関する情報を市場に提供する役割も担っていると説明した。同氏は、米議会がCFTCにこれらの市場を監督する権限を与えたとし、商品デリバティブ(金融派生商品)に対する排他的管轄権を守る考えを示した。
CFTCはこれまでに、ユタ州以外の9州に対しても法的手続きを開始している。また、4つの連邦控訴裁判所と1つの州最高裁判所に意見書を提出している。
ユタ州はカルシを違法賭博として提訴
今回の訴訟に先立ち、ユタ州のデレク・ブラウン(Derek Brown)司法長官は10月20日、予測市場大手カルシ(Kalshi)とその関連会社、サスケハナ系のトレーディング会社2社を提訴していた。
ユタ州は、カルシが2024年以降、州内で違法な賭博を仲介してきたと主張。州内での事業差し止めに加え、違法な取引で得たとされる推計約3,000万〜6,100万ドルの手数料収入の返還などを求めている。
同州は米国内であらゆる形態の賭博を禁止する2州のうちの一つだ。訴状によると、2026年2月時点で本人確認済みのカルシ口座を保有するユタ州民は3万2,000人を超えていた。
カルシとユタ州の法的対立は今年2月から続いている。カルシは、スポーツ関連の賭けを賭博と明確化する法案の審議が進むなか、州当局による取り締まりを阻止するため連邦地裁に提訴した。
しかし8月4日、ユタ州の連邦地裁は、カルシが提供するスポーツ関連のイベント契約に対して州の賭博規制を適用できると判断し、州側の主張を認めた。カルシはこの判断を不服として控訴している。
規制権限を巡り控訴裁の判断が分かれる
予測市場を巡っては、スポーツ関連のイベント契約が米商品取引所法(CEA)上の「スワップ」に該当し、CFTCの排他的管轄下にあるのか、それとも州法で規制される賭博商品なのかが争点となっている。
ニュージャージー州とカルシの訴訟では、米第3巡回区控訴裁判所が仮差し止めを巡る判断でカルシ側の主張を認めた。一方、第6巡回区控訴裁判所は、オハイオ州とテネシー州による賭博規制に関し、カルシ側の仮差し止め請求を認めない判断を示している。
ニュージャージー州当局は最高裁に上告受理を申し立てており、予測市場に対する規制権限を巡る争いが最高裁で審理される可能性もある。
参考:CFTC公式発表・Deseret News・Legal Sports Report
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