ストラテジーが永久優先株「STRC」を約1.39億ドル分買い戻し、BTC売買は前週に続き実施せず

STRCを約1.39億ドル買い戻し

米ナスダック上場のビットコイントレジャリー企業ストラテジー(Strategy)が、変動配当型永久優先株「STRC」を142万467株、総額1億3,930万ドル(約215億円)で買い戻した。ストラテジーが9月14日に米証券取引委員会(SEC)へ提出した報告書「フォーム8-K(Form 8-K)」で明らかになった。

今回の買い戻しは9月8日から13日に実施された。ストラテジーは同期間、クラスA普通株式「MSTR」や「STRF」、「STRK」、「STRD」の各優先株を買い戻していない。また、ATM(市場価格で株式を随時売却して資金を調達する仕組み)プログラムによる株式売却も実施しなかった。

ストラテジーは今回のSTRC買い戻しに、同社が保有する米ドル建て資金「USDキャッシュ(USD Cash)」を充当した。USDキャッシュは、ビットコイン(BTC)の取得や証券の買い戻し、USDリザーブ(USD Reserve)の拡充など、幅広い資本管理に利用できる米ドル流動性の枠だ。

STRCは、ストラテジーが資金調達に活用する満期のない永久優先株だ。基準額(stated amount)は1株100ドル(約15,463円)で、配当率は月次で見直される。現在の年率配当率は12.00%となっている。

ストラテジーは今年6月29日、STRCが長期的に基準額の100ドルに近い99~100ドルで取引されることを企業目標として掲げた。その一環としてSTRCの年率配当率を12.00%へ引き上げた。また、STRCなどの優先証券を対象とする「デジタル・クレジット証券買い戻しプログラム(Digital Credit Securities Repurchase Program)」を導入した。同社はSTRC、STRF、STRK、STRDの各優先証券を総称して「デジタル・クレジット証券(Digital Credit Securities)」と呼んでいる。

同社はSTRCが100ドルを下回っている間、市場環境や流動性などを踏まえて継続的に買い戻す方針を示している。基準額を下回る価格でSTRCを買い戻すことで、将来の優先株配当負担を割安に減らせるとの説明だ。

ストラテジーは前週の8月31日から9月7日にも、STRCを181万885株、総額1億7,630万ドル(約273億円)で買い戻した。同社は同時に、デジタル・クレジット証券買い戻しプログラムの買い戻し枠を10億ドル(約1,546億円)から20億ドル(約3,093億円)へ拡大した。今回の買い戻し後も、同プログラムには10億5,000万ドル(約1,624億円)の買い戻し余力が残っている。

BTC売買は前週に続き実施せず、米ドル流動性は64億ドル

一方、ストラテジーは9月8日から13日まで、BTCの購入および売却を実施しなかった。前週の8月31日から9月7日にもBTCを売買していない。9月13日時点のBTC保有量は84万5,050BTCで、現在保有するBTCの取得総額は637億3,000万ドル(約9.85兆円)。手数料および諸経費を含む平均取得価格は1BTCあたり7万5,412ドル(約1,166万円)となっている。

ストラテジーによる直近のBTC追加購入は8月24日から30日で、同期間に4,603BTCを3億6,970万ドル(約572億円)で取得した。これによりBTC保有量は84万5,050BTCとなり、その後は保有量に変化がない。

また、9月13日時点でストラテジーはUSDキャッシュを13億ドル(約2,010億円)、USDリザーブを51億ドル(約7,886億円)保有している。USDリザーブは、主に同社が発行する優先株の配当と既存債務の利払いを支えるための資金だ。USDキャッシュはBTC取得や証券の買い戻しなどにも利用でき、両者を合わせた米ドル流動性は64億ドル(約9,896億円)となる。

こうした資本管理の背景には、ストラテジーが6月29日に導入した「デジタル・クレジット資本フレームワーク(Digital Credit Capital Framework)」がある。同フレームワークでは、USDリザーブの維持やSTRCの配当方針、デジタル・クレジット証券とMSTRの買い戻し、必要に応じたBTC売却などについて方針を定めている。

ストラテジーは6月末以降、BTCの売却代金をSTRCの買い戻しや優先株の配当に充ててきた。また、MSTRのATM売却による調達資金をBTC取得やUSDリザーブ、USDキャッシュなどにも配分している。同社はBTCを主要な財務準備資産とする方針を維持しながら、BTCの売却代金や株式売却による調達資金、米ドル流動性を資本管理に活用している。

参考:フォーム8-Kストラテジー
画像:PIXTA

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この記事の著者・インタビューイ

渡邉洋輔

「あたらしい経済」編集部 記者
ブロックチェーンおよびデジタル資産分野を専門とし情報発信を行っている。オンチェーンデータや流動性構造など、市場設計の観点からのリサーチにも取り組んでいる。

「あたらしい経済」編集部 記者
ブロックチェーンおよびデジタル資産分野を専門とし情報発信を行っている。オンチェーンデータや流動性構造など、市場設計の観点からのリサーチにも取り組んでいる。

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