暗号資産エクスポージャーの取扱いを最終化
カナダの金融機関監督庁(OSFI)が、銀行などによる暗号資産エクスポージャーの自己資本・流動性上の取扱いを定めた最終指針「Capital and Liquidity Treatment of Crypto-asset Exposures (Banking) Guideline (2027)」を9月10日に公表した。
あわせてOSFIは同日、トークン化などデジタル表示された預金に関する声明も発表。トークン化預金は従来の預金と法的に区別されないとの見解を示した。
今回の最終指針は、バーゼル銀行監督委員会(BCBS)が策定した国際基準を基礎とし、関係者との協議を踏まえて策定されたものだ。
OSFIは協議を受け、当初案から主に2点を変更した。
1点目は、「グループ2a」に分類される暗号資産の資本要件を算定する際、同一の暗号資産について、伝統的金融資産を扱う複数の規制対象取引所で保有する同じ満期の相殺ポジションを、自己資本規制上完全に認識できるようにしたことだ。
OSFIは、同一の暗号資産が主要な規制対象取引所間でおおむね近い価格で取引されていることから、こうしたポジションによるリスク低減効果を資本要件に反映できると判断した。
2点目は、金融機関が顧客と適格中央清算機関(QCCP)の間の仲介者となる顧客清算業務から生じるデリバティブ・エクスポージャーを、「グループ2」のエクスポージャー上限の計算対象から除外することだ。
OSFIによると、カナダの既存の枠組みでは、グループ2暗号資産について現行のバーゼル基準よりも寛容なエクスポージャー上限をすでに採用している。一方、撤廃を正当化する十分な根拠がない規制については、引き続き資本要件や健全性上の安全措置を維持する方針だ。
最終指針は、10月31日を事業年度末とする金融機関には2026年11月1日から、12月31日を事業年度末とする金融機関には2027年1月1日から適用される。
トークン化預金は従来の預金と「法的に区別されない」
OSFIは同日公表した声明で、トークン化預金などのデジタル金融商品について、技術中立的な規制アプローチを取る方針を示した。
OSFIは、銀行法(Bank Act)などの連邦金融機関関連法制のもとで認められている業務について、使用される技術そのものは商品やサービスの法的性質を決定するものではないと説明。規制上着目するのは商品やサービスが「何であるか」であり、「どのように構築・提供されているか」ではないとした。
その具体例として、トークン化預金は従来の預金と「法的に区別されない」と明記した。
一方で、金融機関は第三者が実施する業務を含め、適用される法令や規制を遵守する責任を負う。OSFIは、技術・サイバーリスク管理に関するガイドライン「B-13」や第三者リスク管理に関する「B-10」などの遵守も引き続き求めるとしている。
また、新たな商品やサービスを開始する前にOSFIの担当監督官と協議し、必要に応じて法律専門家から助言を得ることも推奨している。